木ノ袋谷苔のルンゼ

雨後の木ノ袋谷・苔のルンゼ

~木ノ袋大滝の上流、未踏の苔のルンゼをつめる~

2021年5月23日

久しぶりの木ノ袋谷へ行ってみることに。最近は水晶脈の探索と称して、楽で手抜きの山行ばかりを続けていたので、少し装備を整えただけで脚にくる始末。困ったものだ。

さて今回は、以前から気になっていた長峰大好きさん命名「苔のルンゼ」に行ってみることにした。

木ノ袋谷の堰堤は、増水時にかなりの範囲が水没することが分かったのは収穫だった。水没エリアを避けて堰堤を髙巻くと、谷からはなれてしまうので降下点を見つけての懸垂下降となる。

雨後の木ノ袋大滝横を直上するときは、ぬめった樹皮が手ごわいのでルートの見極めが必要。

肝心の苔のルンゼは、取付きから最後の衝立状の壁まで全てスラブ滝だった。今回も、木ノ袋谷はまだまだ奥が深いと思い知ることとなる。


いつものことながら、初見のルートに出かけるときはグズグズしてしまい出遅れる。単独ゆえの気楽さがダメなのかも。

護国神社にて山行の無事を祈願し、杣谷道登山口を目指す。山麓線の角を曲がると黄色いコスモスのような花が、団地の植え込みに沢山さいていた。「この季節にコスモスとは?」と、思い調べるとどうやらオオキンケイギクという外来種で駆除の対象になっているらしい。

セイタカアワダチソウといい西洋タンポポといい、外来種に黄色い花が多いのは偶然だろうか?

すぐそばのブロック塀の上に、タマムシのような昆虫がいた。アカガネサルハムシと呼ばれ、メタリック昆虫の代表的な存在だ。とても綺麗でいつまでも見ていたいと思った。

杣谷道入ってすぐの樹皮に白いつぶつぶが。撮影した時には菌類なのか昆虫の卵なのかわからなかったが、調べるとエダナシツノホコリの変形菌だった。昆虫好きにもたまらない季節だが、菌類好きにもパラダイスだろう。

コアジサイもいい香りを漂わせていた。

増水した徒渉地点でのドボンに気を使いながら進んで行くと、鉄階段で先行グループに追いついた。距離をとりながら、ふと寒谷北尾根に目をやると崩落地点が目にはいった。

最近のものなのかどうか記憶にないので、これも探索対象にいれておこう。

杣谷道の名もなき滝、寒滝を見てから木ノ袋谷と杣谷の分岐に到着。水量から、あらかじめここで装備を準備する。

Ⅾ1を左岸より越えると堰堤内は水没していた。それもかなり上流まで、谷幅いっぱいに水面が広がっている。何度も訪れているが、こんな状況を見るのは今までで初めてのこと。

左岸を巻いて進むものの、谷から高さが離れるたうえ、枝沢に行く手をさえぎられる展開。上流の明るくなったあたりで、立ち木を支点に懸垂下降で水際に降りる。

進んですぐ、ゴルジュ状のエリアを抜けていく。次のⅮ2が見えている。

Ⅾ2も左岸より越えていく。写真では水面に落ち葉があって見づらいが、堰堤内はしっかり水没している。同様に巻きながら懸垂下降し進んで行く。

Ⅾ2の先、倒木地帯を抜け岩がゴロゴロ積み重なる地点を抜ける。いつもなら水量も少ないが、今日は豪快に流れている。続くⅮ3も左岸より越えていく。

Ⅾ3には、残置ロープや自転車のタイヤが補助代わりにあるが、危ないので使ったことがない。身軽なら飛び降りれる高さだがロッコペリはそうはいかない、いつも懸垂下降に頼ってしまう。水没は免れているが、泥濘が堆積し倒木で足場を作り砂州へたどり着く。

秘密のベールだったブルーシートの無残な姿をみながら、さらに倒木地帯を抜けていく。

コメント