桜谷遡行

桜谷遡行

二十渉を経て桜谷を遡行する

~久しぶりにトゥエンティクロスを歩き、桜谷出会いから遡行を楽しむ~

2022年7月31日

ダラダラと距離が長く、堰堤も多い二十渉ルートは避ける傾向にあったが、今回は楽して桜谷へ取付きたかったので久しぶりに歩いてみた。酷暑のせいか、さすがに歩く人はまばらで、徒渉地点まではゆっくりと記憶の上書きをしながらのハイキングを楽しんだ。

桜谷遡行自体は距離が短いが、詰め部の湧水の状況から、水質良好で楽しめたのは狙い通りだった。3年前に編んだワラジはまだ使えるので、改良5型の高耐久性が証明された形だ。

桜谷は堰堤の巻きも小さく、釜の深い所でも股下くらいなので、子供連れでもロープ補助があれば手軽に快適な水浴びが出来るルートだ。


本日は新神戸よりスタート。暑いけど空が少し高くなったか?布引の滝の雄滝も涼やかで、朝でも結構な人出だった。

見晴台からすぐ先のフェンスから、滝見台を見下ろす。実は、この奥行き感が結構気に入っている。

隠れ滝下には、カモが一羽トコトコと歩いていた。布引五本松堰堤はいつ見ても圧巻、西洋の古城をおもわせる威風堂々とした雰囲気は格別。あしらわれたデンテルが、堤体をスッキリと引き締めている。

明治時代に作られた水源地水道施設が、取水・分水・放水など今もこうして活用されていることに感動すら覚える。ただ歩いて通り過ぎるのではなく、一度じっくりと説明文を読むことをお勧めする。

市ケ原を過ぎたあたりで、蜘蛛を狩る蜂、オオモンクロベッコウがいた。アシダカグモを麻酔で眠らせたまま巣穴に引き込み、子供のエサにする。大崩落地手前の三笠岩。派手にボルトやクサリが設置されているので、それなりに登られているみたい。流された河童橋も再建されていた。

やはりこの辺りだけ、六甲山系の中でも雰囲気が違っていい感じ。しばらく来ていないので、記憶をたどりながら歩いている。

ボロボロで怖かった木製の廊下も、すっかり綺麗に架け替えられていた。古い道標の文字を判読しながら、桜谷出会いに到着。そばのベンチで少し早いが昼食を摂り、沢装備に着替える。

出会い付近は変哲もない渓相だが、少し遡行すると小滝が連続して沢らしくなってくる。

この時期なので、水量は少ないが水質はとても良いので気分よく遡行出来る。全体に苔むした岩が転がる、目に優しい桜谷だ。スラブを流れる先は、桜谷唯一の核心ともいえる滝登りが楽しめる。

進んですぐ、ぬりかべ状の高さ3mほどの滝が現れる。古い堰堤かと思ったが、どうやら一枚岩のようだ。釜の深さは股下程度、ぬめりがないので流心の左にある細いクラックを利用して登ることが出来た。

ぬりかべを越えると、倒木でごちゃごちゃしているが雰囲気の良い二条の滝が現れる。時折り日差しが差し込み、緑が目に染みる。滝の高さは2.5mほど、流心の中にある小さな段差を見つけて登ることが出来た。こちらもグリップ良好。

しばらく遡行を続けると、なんとも不思議な小滝があった。岩の下でなく上を水流がながれているのだ。

コメント