2021年納山会

さらに、第三支柱跡を調べてみる。法面から崩落した土砂が上面を覆ってはいるが、人物対比でHさんがいる位置までが基部になる。

基部からは肉眼でも、山上駅への連絡橋だった「月見橋」が確認できる。その左横の白い建物は六甲山郵便局だ。そして、つながる尾根に第四支柱跡が眠っている。

山上駅の基礎の上に立つ建物周辺は、別ブログで案内した通り現在はサイレンスリゾートの管理になったエリアなので、許可なく立ち入ることはできない。

第三支柱跡からは適当に、北側の浅い谷を目指しトラバースしていく。谷からはアイスロードを目指して軟着陸する。ちょうど、前ヶ辻第二砂防ダム手前に降りてこられる。

先の鉄製階段の左俣にある堰堤下で昼食にする。この二俣地点には水呑茶屋が存在した痕跡が残っている。後ほど一周してここに戻ってくる。

旧アイスロードを登って、廃道になった新アイスロードに向かっていく。ちょうど前ヶ辻から下って来た分岐点がその入り口。廃屋群をぬける道を進むが、荷車が往来していただけあって、しっかりとした道幅になっている。

道沿いに廃屋が点在し、にぎやかだった往時がしのばれる。ところどころにある「郵政省用地」の石柱も何かの意味があったのだろう。

記録によると、六甲山郵便局は前ヶ辻に作られ、北はシュラインロード南は新アイスロードを通って郵便が運ばれたとある。冬季になると、唐櫃からは胸まで雪に埋もれながらの大変な作業だったようだ。この石柱もその関係なんだろうか・・時間があれば調べてみよう。

ホテル六甲迎賓館の下あたりで進路は笹薮に代わる。一見すると道が無いように思えるが、同じ幅で緩やかに下っていける。この辺りの詳細は過去のブログを参照にしていただきたい。

途中倒木などをかわしながら、つづら折りに下って来ると開けた場所に出てくる。建物の痕跡はないが、焼却炉らしきものが転がっている。

また、近代のものとおぼしき大量のビン類が斜面に沿って散乱している。これは、研修センターや保養所などからのゴミが流れてきたものと推測する。

ここで痛恨のミス。一度通っているからと、記憶に頼り下ってきたが一本上の道を進んでしまい途中で道が無くなった。

慌てて、過去のログを確認すると道はもう一つ下だった。メンバーには激下りを強いる結果となったが、まあバリルートなんてこんなものだろう。無事に、新アイスロードに復帰し小谷を挟んで続く道に入っていく。

小谷を挟んだ先の道は、すぐに大きな崩落で寸断されている。この辺りで適当に目的の谷へ下っていく。つららを見つけたKIさんが”ウルバリン”と、おどけて見せる。

谷を進んですぐの左岸に、新道の痕跡が現れるがすぐに堰堤で寸断される。

苔むした古い堰堤を2つ越えると、左岸にしっかりとした新アイスロードが現れる。一部やぶに覆われているが、道幅も広く石積みで補強されいて荷車の往来に十分耐えられる作りとなっている。

進むと道は明らかにスイッチバックして下っていくが、その先は短いスパンで作られた堰堤間に向かっている。加えて猛烈なやぶになっているので、探索はせずに素直に堰堤下流に下っていく。

クリアする残りの堰堤は、昼食を摂った場所の1基のみになる。

新アイスロード最後の痕跡は、わずか15mほどの区間のみ。その前後はやはり堰堤工事で寸断されている。工事の時の残置物だろうか、工作箱や脚立がそのまま放置されている。工事関係者はこの石組が新アイスロードの痕跡だったと認識していたのだろうか?

最後の堰堤を越える前に、猛烈なやぶ漕ぎと棘植物との戦いが待っている。10分近く格闘して、ようやくクリアすることが出来た。

堰堤下ってその下の岩場で2人とも滑って転ぶ。さっき昼食後に通ったはずなのになぜだろう?

探索後、皆さんの下山はとても早い。登山口からは、小走りでジャスト10分で六甲ケーブル下駅に着いた。理由は15時から六甲道で忘年会のため、どうしても14時40分のバスに必要があったから。

ロッコペリとしては、新アイスロードの新たな課題が見つかったから近いうちに逆ルートで探索を行って見ようと考えている。

合計距離: 10.88 km
最高点の標高: 754 m
最低点の標高: 61 m
累積標高(上り): 1854 m
累積標高(下り): -1663 m
総所要時間: 05:43:34
Download file: 211919_new_ice_road.gpx

※新アイスロードのログは一部ルートをロストしているので、正しいログは過去のブログを参照ください。

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