東六甲縦走

分割縦走の最終エリア

~王子公園駅を出発し宝塚を目指す25kmのナイトハイク~

2021年4月10日~11日

知り合ったDr.が昨年から登山を始めたので、それにお付き合いする形で始まった分割縦走。今回は、最終エリアの掬星台~宝塚までをナイトハイクを絡めて走破することになった。

出発が王子公園駅なので、一旦掬星台まで登ってからの挑戦となるので、総距離は25kmを予定している。登山を始めてまだ日が浅い彼らには、ただコースをひたすら歩くのは苦行にも等しい行為。なので、多めの休憩やイベントを交えての山行となった。

六甲全山縦走についての詳細は、ネットを検索すれば沢山ヒットするので、ここでのは割愛させていただく。

今回はロッコペリを含め、仕事を終えわずかな仮眠を取っての参加なのでそこそこ大変だったと思う。ただ若いので体力的には問題ないだろう。


23時王子公園駅を出発、まずは青谷道経由で掬星台を目指す。上野道と違って青谷道は、大龍院から石段が始まり途切れながらも、それが掬星台まで続いているコースとなる。

石段や階段が苦手なロッコペリとしては、上野道の方が好きだが単純に「須磨浦公園に近い側」という理由で青谷道を選択してしまった。

青谷道取付いてすぐに見える風景は、奥行きがあって結構気に入っている。この直後、大き目のイノシシが川から右手斜面に駆け上がっていったのには驚いた。気を取りなおし、進んだ先の観光茶園はひっそりと闇の中にあった。

途中、昆虫観察をしながら進んで行く。すでにシャクガの仲間たちが枝に多くぶら下がっているのを見かけた。少し休憩をいれながらアメヤと仁王門についた。夜の仁王門も雰囲気があってなかなか良い。

暗闇のなか、ヘッデンに照らされる石段を登っていく。先が見えないのはある意味気が楽だ。日中なら、もっと先まで見通せるのでいわゆる絶望の階段となる。

中盤まで進み、そろそろ終わりかとDr.が訊ねるので先を照らすと、はるか上まで続く階段にやはり気持ちが萎えたようだ。

石段を登った先の夜景は、今までの苦労を忘れさせてくれるくらい見事なもの。掬星台まであと少しだが、小休止を取る。

掬星台では夜景を楽しむ若者たちであふれていた。下の進入禁止は当然無視され、直近まで車があふれている。そして、マクドナルドのゴミや缶ゴミが散乱するのはいつもの残念な光景。

原因一つは、経費の問題かわからないが街灯が全く点燈していないこと。せめて、自販機周りのゴミステーション辺りは明かりがあってもいいと思う。真っ暗なのでゴミ箱の存在自体が認知されていないからの問題と思っている。

とはいえ、きれいな夜景をみて素直に感動している彼らには、大いに期待したいところだ。東屋で行動食を摂り小腹を満たす。山上の桜もまだまだ見ごろ。

オテルド摩耶では、すでに調度品などは撤去されていた。このまま次の権利者が現れなければ、マヤカン廃墟と同じ運命が待っている。

Dr.には「東六甲縦走は登り3割下り7割」と伝えておいたが、本番ではサウスロードに続くこの坂道で、心が折れた縦走者を見かけることも紹介しておいた。この坂を越えればあとは何とかなる。

六甲サイレンスリゾートを中心に再開発が進み、山上もあか抜けてきた感じがある。

向かいの六甲山郵便局では、月見橋を紹介。戦中に撤去になった六甲登山架空索道のお話をさせて頂いた。

ゴルフ場を抜け、DWから縦走路に入ってすぐの夜景も素晴らしい。暗闇の中、突然Dr.が足元にあるものを見つけ小さく声を上げる。見ると、お菓子屋飲料のお供え物が置いてあった。

不思議なところにお供え物があるものだと思ったが、みよし観音さまの近くなので怖がる必要はないと安心させる。

石切道からの先、なんと街灯がついているのには驚いた。以前にはなかったものと記憶している。これもエクシブ六甲 サンクチュアリ・ヴィラが出来たおかげなんだろう。

今日は、一度も寄ったことのない「見晴らし台」へ行ってみる。少しずつ夜景の見える範囲が変わるのが面白い。

ガーデンテラスの気温は3度。下界との気温差のせいか、真夏の陽炎のように夜景がゆらゆらと波打っていたのは興味深い現象だった。

ここで大休憩、夜食の準備をする。汗冷えのせいか、寒さのあまりダウンを着こむ。熱いコーヒーとクッカーの暖かさがたまらない。

体は温まっても筋肉がすっかり冷えてしまった。こんな時、急に動かすとケガをするので、入念な準備運動を勧める。次の目標は一軒茶屋。

今回は、後半の脚への負担を考え、縦走路を忠実に歩くのではなくDWを行くことにした。

一軒茶屋手前で、肉眼ではかすかに空の色が白んできたように思えたが、カメラを通すとくっきりと違いがわかる。新設のコテージのようなトイレで小休止。いつまでもこの美観を維持できればと思う。

先ほどからチリチリと熊鈴が聞こえていたが、芦屋から上がってきたいう男性がやってきた。しばし雑談をするも、先を急ぐ身なので話が盛り上がる手前で失礼させていただいた。

東の縦走路を下るころには、白々と夜が明けてきた。本日神戸の日の出は5時31分、水無山から船坂峠の間でご来光となった。

日が登るとグングン気温は上昇し、もやが掛かってきた。しばらく進むと右手眼下に、ランドマークの甲山が見えた。

コメント