薬大尾根

雨中の薬大尾根から桜の回廊へ

~いまだ未踏だった、有名どころのピークも踏んでおく~

2021年3月21日

通称「薬大尾根」と呼ばれ、東の要玄寺川、西の風呂ノ川(権現谷)にはさまれ神戸薬科大学の北に延びる尾根だ。途中、深江からの魚屋道に合流し風吹岩にてロックガーデンのメインルートに接続する。

この薬大尾根には「岡本(ほくら~ととや)桜回廊」と呼ばれるエリアがある。六甲山系グリーンベルト整備事業の一環で市民団体・企業などが集まり、ボランティアで毎年桜の植樹が続けられてきた。

おかげで、花の見ごろには電車の車窓からでもはっきりと「桜の回廊」が見て取れるようになった。

ロッコペリもぜひ参加したいところだが作業日が土曜なので、日曜しか休めない自営の身としては如何ともしがたい。何らかの形で参加できればと常々思っている。

そんなわけで、今回はその桜の開花具合の確認をしたくて薬大尾根をルートに選んでみた。ついでに、なかなか食指が動かなかった岡本エリアの有名ピークも周ってみることにした。


前日の天気予報では、日曜日は夕方まで荒れるとの事だったがいつも当てにならない。雨雲レーダーでは8時30分過ぎにまとまった雨が摂津本山駅を通過するとなっている。

カッパを着るのが暑くて煩わしいので、しばらく駅で雨宿りをする。駅を出て、山手幹線を東に進みここから薬大へ向かう。

神戸の学校は坂の上が多い。今はいいが、夏は灼熱地獄坂に変貌する。学生さんにはホント気の毒な立地だ、などと考えながら奥に進んで行く。

進んですぐ、一見すると人の家に行くような感じの青い手すりのあるコンクリ階段がある。中段まで進むと、左手に登山道への取付きがある。一旦下って流れの細い要玄寺川を徒渉して尾根に登り返していく。

尾根に取付くと、薬大の北側法面の補強工事が行われているエリアを通過する。イラストもかわいらしい。ただ、ここにも無粋で無意味なマーキングがされている。迷うこともない登山道になぜこんなことをするのか理解に苦しむ。不快なマーキングは魚屋道まで続いていた。

桜のエリアに入る。日当たりや場所にもよるが、見ごろは10日ほど先のようだ。ほとんどのつぼみは固かった。尾根筋のため、時折雨混じりの突風が吹き抜ける。

ガスが通り抜ける間は、急に薄暗くなりいい雰囲気を醸し出してくれる。たまらない瞬間だ。

植樹は桜だけでなく、ほかにも色々な種類のものがあった。こうした地道な活動が、将来の森林環境の改善につながるなんていいことだと思う。桜の大木に春待ちのつぼみが濡れていた。

ふと足元をみると、小さな紫色の花が咲いていた。花の名前はほとんど知らないが、今の季節は花好きには最高なんだろうな。ロッコペリは昆虫の出始める来月からが楽しみだ。

下草が刈り取られた中に、柱が何本も立っている。近づいてみると、テプラで植物の名前が書かれていた。大変な苦労だと思う。

少し高度が上がるだけで、ガスが濃くなっていよいよ幽玄の世界に入っていく。椿の花がモノクロームの風景に合っている。芽吹く様子のない立ち木は水墨画のようで、ガスの流れと相まっていつまでもその変化を楽しむことが出来る。

進んで左手に、脇道があったので寄って見ると整備されたこじんまりとした広場があった。真新しいベンチもあり、地元の方が利用されているのだろう。気温は16度でも登ってくると暑いくらい。「ゴミは持ち帰りましょう」のお願い看板の横に、大量の水ペットボトルが捨てられているのはなんなんだ?

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