白石谷

白石谷の滝を登る

~高塚の清水、滑滝に寄り道し白石滝から白竜滝を遡行し六甲山最高峰に抜ける~

2021年9月5日

今回は夏を惜しんで、有馬ルートの白石谷の遡行にいくことにした。メンバーは山友のH氏とクライマーのS女子2名。

そんな中、H氏から「TVで秀吉の愛した『高塚の清水』特集ってやってたけど、番組では場所を言ってくれない・・どこにあるのかなぁ」と、連絡があった。

ロッコペリが以前有馬四十八滝巡りに行ったさいに、時間が無く立ち寄れなかったが場所は知っていると伝えると、是非行って見たいとのこと。ロッコペリも「じゃあ滑滝にもいきたい」と、相乗り提案で寄り道しまくりの山行となった。

雨後の後だけに水量も十分あって、最後まで存分に楽しむことが出来きたのはラッキーだった。

ただ、山行中ほぼ人に合わなかったのは、超メジャーな有馬ルートでは珍しい事なのではないだろうか。


8時30分、有馬温泉駅スタート。珍しくS女子は早入りし、すでにマス池辺りにいると言う。なんでもイングレイスなるゲームをやっているとの事、いわゆるポケGOの大元になったやつだ。脱渓後も西おたふく山でバトルだそうで、そのゲーム魂には恐れ入る。

湯煙広場の噴水では、六甲ミーツアートのものか「田中陽希」の真っ赤な首が展示してあった。ハッキリ言って怖いし、有馬温泉には似合わない。

H氏が鼓ヶ滝の崩落状況を確認したいとのことで、まずは現地へ向かっていく。到着後、「岩壁の蔓の部分をつかえば何とか取付けそう」などと、攻略方法を思案することしばし。

そこへ、地元住民だという老人がやってきて両手で×を作りながら怒り狂っている。「ダメダメ!そこは立入禁止と書いてるだろう!!お前らみたいなマナーの悪い勝手な奴がいるから、毎回警察をよばなアカンねん!!!」とのこと。

ロッコペリはこの手の老人にはめっぽう強い。

「気が付かずスイマセン。で、どこに立入禁止って書いてますか?」と、問うと「こっちに書いてるやろうがっ!」と、ヒートアップしながら手前の階段下にある看板を見せられる。

そもそもロッコペリたちは、その階段側から来てないので端から知る由もない。

「こっちから来たんで、気が付きませんでした。教えて頂きありがとうございます、次回は気を付けますね。それにしても、この鼓ヶ滝ってよく見ると人工の滝なんですね?」と、話を振ると老人は滝にまつわる過去からの出来事を色々と教えてくれた。

老人も言いたいこと言って、ようやく怒りも収まったようだ。こちらも予期せぬ新情報をいただけたので、更にお礼をいって先に進んで行く。

紅葉谷ルートは、災害予防の追加工事が3ヶ所で行われているようだ。高塚の清水まで、500mそこそこの距離を炭屋道まで大きく巻かなくてはいけない。

魚屋道の取付きから炭屋道分岐まで30分ちょっと、ウォーミングアップには十分な距離だ。

その分岐の手前の標柱に「有馬温泉10km」と誤植がある。知らない人が一軒茶屋から下ってきてこれを見ると、絶望のあまり引き返すんじゃないかと思う。

H氏は神戸市からの委託で「太陽と緑の道」をボランティアで整備しているので、一報をいれておくと言っていた。

せっかく登ったけど、ここから炭屋道を30分かけて下っていく。この巻きが地味に疲れるので、早く工事が終わることを願っている。汗だくのなか、紅葉谷との出会いで沢装備の準備を行う。

射場山堰堤の左岸を目指し、大谷川を徒渉し砂州を下っていく。堰堤上流は上高地的な風景を見せるが、気を付けないといきなり泥濘に足を取られ、股間まで沈むことになる。ロッコペリは片足で済んだが、両足なら底なし沼状態にもなりかねない。複数人ならまだしも単独なら最悪の事態に・・。

射場山砂防堰堤は正副のダブルダム。左岸の巻き道は、やせて足場の弱い真砂土のところもあるので、ダムへの滑落を注意したい。

堰堤を巻いて5分ほどで「高塚の清水」に到着。秀吉が好んでここの清水を汲んだとのいわれがあった。てっきり、岩盤から湧き出ているものと思ったら普通の沢水だったのにはガッカリ。せっかくなので、手ですくって飲んでみたが味はまろやかで美味しかった。

※後日junntarou先生からH氏への情報で、この小滝の上の岩盤に湧水の吹き出し口があるとのこと。最後まで確認しなかったのが悔やまれる。

元の徒渉地点まで戻り、その先進んで湯槽谷から小さな尾根を乗越して白石堰堤の上流の茄子谷へと下っていく。さらにそこから徒渉し、堰堤内ポンドの縁を水面ギリギリに進んで行く。ややへつり気味に進むのでそれなりに厄介だ。

鏡面仕上げのような堰堤内のポンドを見つつ、右岸より流れ込んでくる沢を少しやぶ漕ぎしながら進むと待望の滑滝がお目見えする。ポンドにはアカハライモリが沢山棲みついている。

早速H氏が取付いていく。ロッコペリは、本日場所確認だけのつもりだったので、ワラジを装着せず地下足袋のまま。

あっという間に1段目をクリアしたH氏を見て、ゴム底にビビりながら取付くも、あまりのグリップの良さにそのまま登っていくことにした。

1段目はS女子ともども問題なくクリア。2段目はロッコペリから取付いていくが、逆層の岩板が剥離しやすく、思わず膝をついてしまった。

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