雨の杣谷道

降りながらも未練がましく撮影を続ける。ムカデのように根を伸ばす「つる植物」を見つける。自然界は喰うか喰われるか、それとも共存共栄なのか?

この瑞々しい苔たちは、いつまで見ていても飽きることがない。晴れると、この小さな森の中にも小さな虫たちが活動を始める。

芸術的な樹皮の表面。大きさは指先位だが、こうしてみると何とも言えない造形美がある。「自然は偉大な芸術家だ」とはロダンの言だったか。

洞(うろ)の下だけシワがある。あふれた雨水がチロチロと流れている。このシワは排水溝の役目なのか?

極々小さな樹皮の割れ目にも、小さな水流が見て取れる。樹木が空に向かって枝葉を伸ばすのは、太陽の光を集めるだけでなく、雨を漏斗のように幹に集め、自分の根に多くを注ぐようにできているとロッコペリは考える。

以前大木の下で雨宿りをした際、茂った葉の下の地面は濡れていないのに、腰掛けた背中とお尻が濡れたことがある。不思議に思い樹皮を見ると、雨どいのように幾筋もの小さな水流が出来ていた。

植物は自分で水を飲みに行けないので、こうして利己的に進化を遂げたんだと悟った。ほんとうに自然界には無駄がなく、上手くできていると思う。

スギゴケに生えるきれいな花。スミレの一種だろうか、名前はまったく分からない。いい加減に覚えなければといつも思う。

下るにつれ気温が上がりガスが出てきた。雪山あるあるの「下山したらガスが晴れて青空」の逆パターン。雨中登山では初めから濃厚なガスが欲しいのだ。

下山間際、雨に濡れる桜があった。水滴をまとう花びらも素敵だ。

今日はゆったりした雨中での自然観察山行、やっぱり雨はいい。一人静かに思う存分楽しめる。

登山口フェンスのそばにも小さな花が沢山咲いていた。花の形状には意味があるそうだが、この花にはどんな意味があるのだろう。

さらにダメ押し。護国神社手前の石垣に、金平糖のようなものがあった。小さいけど花の集まりのようだ。下山後ネットで「金平糖・花」と検索すると、すぐにヒメツルソバと分かった。また一つ賢くなった。

合計距離: 2.83 km
最高点の標高: 351 m
最低点の標高: 89 m
累積標高(上り): 218 m
累積標高(下り): -365 m
総所要時間: 02:33:38
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