ルンゼに取付いてすぐの左岸に、岩稜が上まで続いている。目的の岩塔へのアクセスは色々なルートがありそうだ。
落差7m程の滝がお目見えするも、水流は無く岩肌を湿らす程度だ。それがかえって苔をまねき、滑る原因にもなっているようだ。右側の水流跡を攻めてみる。
滝の中ほどまでは、苦労なく登ってこられたがそれ以降が手間取った。見た目は、ホールドがあり楽勝に思えるが風化したやや逆走気味の岩に手を焼くこととなる。
ご覧のように、手前に荷重をかけると簡単に崩れ落ちる。鉛直方向に静かに体重をかけるが、いつ崩落するか気が気でない状況に神経を使う。
滝の途中まで登るも、トレッキングシューズではどうにもならず、クライムダウンしてチェーンスパイクを装着し岩質の弱点をさがしながら再度登っていく。
滝をクリアした先には、幅広のチョックストーンがありその下にこんな状態の石があった。人為的ななものかは分からないが、まさか上のチョックストーンを支えているとは思わない。
子供の頃、スズメを取ったワナを思い出した。つついてみたい気もするが、自分がスズメになるのは嫌なので崩さないように脇を抜ける。
目的地点よりは高く上がってきたが、ようやく左岸に移れそうな地点まで来た。ここを斜上してから、岩の上を折り返して下っていこう。
程なく、パッと開けた場所にでた。ここが目的地点で間違いない様だ。この岩塔は上中下段の3段になっているようで、上段は土砂や樹が茂っているが中段はご覧の通り。
3畳ほどの広さでほぼ水平のデッキ状態(写真奥から降りてきた)。今度は、第四堰堤から直上するルートを探ってみよう。
今回のイメージはこんな感じ・・あー、絵のセンス「ZERO」だな(笑)
デッキの端にも細い樹があるが、ちょっと頼りなくグラつくので体重はかけられそうもない。眼下には、先ほど立っていた第四堰堤の水通しが見えている。
セルフビレイをとりデッキの下をのぞいてみる。10mほどの垂直の壁の下に、下段のデッキが見える。
私のようなレベルだと、ここで懸垂下降と登り返しの練習をするのにはちょうどいいかもしれない。なにより、ほぼ水平でテントも十分に張れる広さなので、使い勝手もよさそう。
木ノ袋谷から岩ジャレに続く尾根を見てみる。一気に駆け上がるように高度を取る険しい尾根に見える。いけるかどうか分からないけど、準備だけはしておこう。
まったりついでに、木ノ袋滝を見てみよう。いつかは登ってやるとは言ってみたものの、ロープダウンして登り返す・・やっぱり無理かな💦
以前登ったことのある、第二・第三堰堤からP608に伸びるルンゼが見える。こうして見ると、かなりエグイ登りなのがよくわかる。
ビギナーズラックというか、なんの装備も持たずに登ったのは無茶だったと、今更ながらに反省。こういうのを「いちびり:お調子者」と関西では言う。
岩塔での時間を十分に楽しんだ後は、再びルンゼにもどり遡行を続ける。戻りは先程の斜行の起点手前の岩から、シュリンゲを使ってから降りてきた。示指の方向より下る。
コメント