木ノ袋谷苔のルンゼ

Ⅾ4も左岸より越えていく。ここまで来ると堰堤内には水はないた、溜まっていたあとはあるので降雨時は水没しているのだろう。

堰堤内進んですぐ、木ノ袋大滝は期待通りの水量でなかなかいい感じだ。かなり手前まで水しぶきが飛んでくる。折角なので、しばらく滝を楽しんでみる。

直登は無理なので滝横の崖を登っていくが、手掛かりの立ち木が水を含んで滑りやすく、加えてグズグズの斜面にかなりの緊張をしいられた。念のために持ってきていたGハンマーが活躍した。

滝口のすぐ上に降り立ち上流をみると、チョックストーン横、通過できる斜面は滝になり手前に大きな釜が出来ていた。近くまで行って見たが、無理そうなので左岸より巻いていく。

チョックストーンの上流すぐが苔のルンゼ取付きになる。長峰大好きさんによると「以前は、苔のきれいなV字の入り口でとても気持ちの良いところだったが、流木のせいで今は当時の面影もない・・」とのこと。また、機会を作って整備にいってみようと思う。

入り口の左岸斜面は落ち葉で覆われているが、立派なスラブなので滑り落ちないように登っていく。その先もスラブが続く展開となる。

苔のルンゼは西南西に延びる谷なので、午後からの気持ちのいい日差しが谷底まで射してくる。おかげで透過光による自然の芸術を堪能できる。

水流は少なくなるが、スラブの岩肌を濡らすように流れている。澄んでいてとても冷たいので、顔を洗ってさっぱりし小休止をとる。

逆行によるコントラストが良い感じで、光の中を遡行しているように思える。荒れているとはいえ、なかなかのものだと思う。

進むとルンゼは表情をコロコロ変え、三段のスラブや谷幅いっぱいのスラブがお目見えする。そして斜度はロッコペリの技術の限界を越え、目の前のスラブを登ることが出来なくなった。

弱い尾根にルートを求め、さらに登っていくと巨大な苔の壁に行く手を阻まれ進めなくなった。

左手の灌木の少ない斜面をトラバースするのは危ないので、右手の急傾斜だが谷の向こうにあるマンモスの牙のような立ち木まで壁下をトラバースすることにした。

トラバースの先は、10m以上ある立派なカンテの下に出た。カンテ右手斜面を登れなくもないが、その先が分からない。北側にスカイラインが見えたのでエスケープしていくが、落ち葉の堆積がすごくて難儀する。

明るいところまで来ると、右手に長峰山の天狗塚が見えた。尾根に乗ったので、そのままやせ尾根をよじ登っていく。右手には3年ほど前に遡行した谷が見下ろせた。早くその記事もブログに上げたいが時間がない・・と、いう言い訳。

激登りの途中、樹間から廃業したオテルド摩耶が見えた。しばらくは、木ノ袋谷の源流も排水で汚染されないだろう。実は、ジャグジーや風呂の排水は木ノ袋谷へ未処理で流されている。

ヘロヘロになりながら寒谷北尾根に合流。あとは摩耶石舞台までアルバイトだが、最近のなめた山行で筋肉が悲鳴を上げている。

ジャグジー下との分岐を、左のトラバースルートへ進む。最近は楽なので、石舞台まで最短でデッキ(写真中央)へ出るようにしている。

非常事態宣言下ではあるが、掬星台は14時を回ってもかなりの人出でにぎわっている。昼を過ぎているせいか逆に四阿はガラガラ。炭酸飲料を飲んだら、疲れと暑さのせいか食欲がなくなってしまった。

無理やりおにぎりを2個胃袋に押し込み、しばらくぼうっとしていると元気が出てきたので山寺尾根で下山する。

耐暑訓練をしないと、今年の夏は早く暑くなりそうなのでバテてるかも・・などと考えながら50分ほどで下山。東谷徒渉地点のユキノシタにホッとする。下界はやはり暑かった。

合計距離: 8.18 km
最高点の標高: 696 m
最低点の標高: 67 m
累積標高(上り): 858 m
累積標高(下り): -842 m
総所要時間: 06:49:38
Download file: 20210523_苔のルンゼ.gpx

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