摩耶東谷から六甲山蒸留所へ
~まったりと、東谷の整備をしながら掬星台から縦走路を歩いて秋を楽しむ~
2021年11月14日
いつもの摩耶東谷の整備は、深谷第三堰堤手前の行者滝までが主だが、今日は紅葉の知らせに誘われ山麓水平路までのんびりと登って見る。
のんびりなのには訳がある。実は知人が予約を取ってくれた、六甲山蒸留所の見学時間が15時からなので、秋を楽しみながらの整備&山行ができるのだ。
六甲山蒸留所は、神戸市の六甲山を再活用するコンペで選ばれた事業の一つ。今年の7月から営業を始めた、出来立てのまだ若くてこじんまりとした蒸留所だ。
なので、いま蒸留して熟成させても、シングルモルトの初出荷は2024年となる。それまでは、スコットランドからの各原酒を六甲山の水とブレンドしての出荷となる。
まだ、手探り状態での運営とのことで館長さんも恐縮していたが、紆余曲折を経ても世界に誇れる六甲ウィスキーが誕生するのなら、地元民としてこんなに夢のある楽しいことはないと思う。
今回は、ゆるやかな秋の一日を堪能した山行だったが、たまには観光客気分もいいものだ。
護国神社の境内も色づき始めている。阪急六甲からは先週同様に、たくさんのハイカーが出発している。
そういえば、杣谷道登山口に掲げてあった「大腸菌検出のため飲料不可」の看板が見当たらない。水質が向上したとは思えないが・・。
登ってすぐの草むらに、仙人さんがいつも餌をあげている毛並みのいい猫がいた。ネコの様子から、もうすぐやって来るのが分かる。
進んで、一旦東谷を徒渉し深谷堰堤を巻いていく。秋なので?蜘蛛の巣に引っ掛かった枯葉も、芸術的に見えてしまう。
徒渉地点を過ぎたあたりで、今週も仙人さんに遭遇。今日は体調が悪いのか、挨拶をしてもいつもの様な元気がない。
先日整備した地点を確認、先週のまとまった雨でも登山道は水没していないので安心した。
見返り滝は水量少な目、階段は少し土砂と落ち葉が堆積していたので、軽く靴で払っておく程度にした。
行者滝前の倒木もかなり下がって来たけど、通行の邪魔にはならないので放置しておく。小屋の先、展望岩で小休止するが、よく見るとこの岩も撮り方によっては天狗梁に見えないだろうか。
続く深谷第三堰堤は「宿酔の堰堤」と、勝手に呼んでいる。宿酔(しゅくすい)とは二日酔いのことで、まさにそんな雰囲気を漂わす堰堤だ。
堰堤上流も流木が堆積し始めて、荒れた感じになっている。そして、いつもの定点観測の宝珠・・と思ったら転げ落ちていた。なので、定位置に戻しておいた。
これは、Muscleさんやtokiwaさんたちが、かつてこの道が天上時への参道であった痕跡を探し求めていたとき、お仲間が谷の中に発見し掘り出したもの。現在これが、参道の唯一の痕跡となっている。
いつ見ても遺跡にしか見えない、深谷第四堰堤はお気に入りの地点。堰堤を抜ければ、すぐにゴルジュの入り口が見えて来る。ゴルジュに入り上を見上げると、天蓋のように紅葉がかぶさっている。
いつもはお湿り程度のロープ場横の滝も、今日はそこそこ流れていた。
肝心のロープ場は、訪れる人が多くなったせいが、階段状にあったステップが無くなり、下地の岩が露出している。これでは、ロープに頼りゴボウで登るしかない。
ロープが無理な時は少し手前の二俣に戻り、ロープウェイ尾根から滝口までトラバースすればよい。
ロープ場をクリアするとすぐに、「生命の樹」と呼ばれ倒木に新たに樹が生えているものに出くわす。気のせいか以前よりは、樹勢が衰えて見える。
左岸のスラブ滝を過ぎると、一気に高度を稼ぐガレ場の斜面に入る。スラブ滝の氷瀑は一面真っ白になるので、なかなかの見応えがある。今年の冬は寒いとの予報なので期待できそうだ。
ガレを抜けた先に、5cmほどの大きなヤスデがいた。色形からヤットコアマビコヤスデに思えるが、この種は南方にしかいない。時間のある時に調べて同定しておこう。
マザーツリーにて小休止をとる。ここから掬星台まで、排水路になっている床固工群が続いている。恐怖のアンパンマンにはこの中を歩いていけば必ず会える。会った後は適当なところから左岸に上がるとよい。
今日はゲストが居るので直登の無理をせず、山麓水平路を旧天上時方面に進み上野道(観音道)へと上がっていく。上野道を登りで使うのは久しぶりなので、とても新鮮に感じる。
ゴールの燈籠から見る感じでは、まだ紅葉のピークは先のようだ。
お昼にしようと思ったら、ザックにワカバグモが。8つの眼でなにをみているのだろうか。バス停からドライブウェイは所々で、ハッとするくらい見事な紅葉が楽しめた。
昼食後は、本日第二の目的地の六甲山蒸留所へ縦走路を歩いていく。
コメント