分岐すぐ、廃道感が増している。前回は古地図の誤差を考えず素直に進んだため、写真3の通行止めの進路がアイスロードと勘違いしていた。
今回は、このコンクリ道が新アイスロードの上に敷設されたものと分かっているため、道なりに進んでいく。この時点では、紅葉も余裕をもって撮影できる。
左のトラロープは、前回思い込みで下った所。道端をみると石柱が並んであり、「ヒラヲ」と「郵政省用地」とある。この石柱はしばらく道沿いに続いている。
元々、六甲山郵便局については「明治43年に下村茶屋(前ヶ辻)の一室から始まった郵便業務は、大正2年に季節局ができ整備された新アイスロードを使って郵便を運んでいた※1」とあるので、ひょっとしたらこの廃墟群は郵便の関係者の住居だったのかもしれない。今でいう社宅みたいなものか。
ますます謎が深まるばかりだ。
今回確認できた周辺の建物。赤字は廃墟又は痕跡のみ。青字は手入れがされているので人が利用しているのだろう。以降建物の番号で説明する。
前回調査した廃墟群①②、更に先には大きめの住居跡③があった。
住居跡③を調べてみると、やはり敷地は奥に広がっていた。更に、下段にはコンテナハウスのような建物が確認できた。この建物は、すぐ後に④今泉邸と判明する。
今回の予想ルートは、年代別の古地図を数枚重ねて導き出したもの。精度はいかに?!。
廃墟跡③の先には法面が10mほど崩落した箇所があった。立入禁止の立て札があるが、読んでみると自己責任なら通っても構わないような文面だった。とはいえ、憚られるので右の笹薮登って抜けていく。
抜けたその先の丁字路(1)を、今回の予想ルートに従って左折し下って行く。左手には住宅の基礎(2)が残り、振り向くと崩落地点(3)が観察できる。
道が開けたと思ったら、いきなり今泉邸④のお庭にでてしまったようだ。私有地に立ち入るわけにはいかないのでしばらく思案する。
ここで新アイスロード探索が終わりとはあっけなさすぎると思い、折角なので今泉さんが在宅なら何か聞けるかもと進んでみた。
日当たり良い南斜面には色々な花や樹が植えてあり、綺麗に区画されたお庭が続いていた。その一番奥に、先程見たコンテナハウスがあった。
しばらく様子をうかがうが、お留守のようなので元来た道を戻ることにする。
赤い屋根の民家⑤を左下に見ながらしばらく道なりに進んでいくと、再び丁字路に出る。右手はオーシャンテラスあじさい方面。左に進んでその先を更にスイッチバックして道なりに下って行く。
すぐに民家⑤に出てしまった。のぞいてみたがひと気はなかった。周辺を探すも道は無し、来た道を戻る。
スイッチバックの地点に戻ると、薄い踏み跡が続いているのに気づく。ある意味、ここからが新アイスロード探索の本番になる。少し進んで振り返ると道の様子がよく分かる。幅も先のコンクリ道と同じくらい。
踏み跡をたどると、廃棄されたビンと矢印があったので進んでみる。その先には比較的新しい水栓があるので、住居跡⑥ということになる。カランをひねってはみたが、当然水はでない。念のため倒木を乗越えて先を確認するも、谷でスパッと切れていた。この水色の矢印は、恐らく埋設されている上水道の目じるしか何かだろう。
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