梵天滝と立坑

梵天滝を登り崖っぷちのササユリを見る

~帝釈鉱山跡の立坑探索は閉所恐怖症との戦い~

2021年6月13日

「崖っぷちにさく一輪のササユリを見に行きませんか?」と、誘われたのが5月の中頃。

もちろん二つ返事で了解はしたが、咲く場所が3段30mの滝の上なのでシャワクラが必要との事。ならばと、昨年から考えていた高耐久型のわらじを急いで編んだ。

そのうえ、廃坑の立坑を垂直懸垂で探索するというオプション付き。最近の山行では登り返しをすることがないから、念のため近くの公園で何パターンか想定して練習を行った。

結果として大人の冒険というか、濃密な山行で大いに満足のいく内容だった。


谷上駅から神戸市バス111系統で丹生神社前に向かう。日曜日はバスの便数が1時間に1本と減ってしまうので、時間調整は確実にしておきたい。

バスを降りると向かいに古びた鳥居があり、その横の案内看板に今日目指す帝釈鉱山跡がかかれている。

道なりに進むと、懐かしい火の見櫓が立っていた。子供の頃、地元のガキ大将が調子にのって登ったはいいが、足がすくんで降りられず消防団員に抱きかかえられて、泣きわめきながら降ろされたのを思い出した。

丹生神社前でjyunntarou先生、H氏と合流、本日はロッコペリを含め3人での山行。jyunntarou先生とは初顔合わせ、簡単に自己紹介をすませた後、地蔵に挨拶をし入山する。

進んですぐ、民家の玄関先にはとても気の利いたおもてなしがあった。おしぼりも置いてあって、住人の心優しさが伝わってくる。

H氏が神戸市から委託をうけ、ボランティアで整備している「太陽と緑の道」を進んで行く。おかげで序盤は、快適なハイキングコースを歩いていける。

そしてjyunntarou先生のルーチンワーク、休憩場所で一緒にポーズをとる。

帝釈山と鉱山道との分岐で、jyunntarou先生より手彫りの案内板を説明してもらう。味わいのある案内板で、これなら風化しても文字は読めるだろう。

鉱山跡方面進んですぐに「ズリ」と呼ばれる、坑道から排出された岩石の捨て場を通過する。梵天滝はそのすぐ先。正面奥の岩も、クライミング要素たっぷりで今度登ってみようとの話になる。

梵天滝に到着、それぞれ足拵えを済まし入渓。1段目は中央直登を命じられるが、苔でヌルヌルなので序盤から手こずる。エージングの済んでいないワラジではゴム底と同じ。

さらに1段目上段の小さな滝を登っていく。ここも滑りやすく、それなりに気をつかう。jyunntarou先生は2段目の様子を観察中。

まずはロッコペリが大滝二段目右岸を巻いていき、立ち木に支点をとり懸垂下降でスタート地点まで戻る。

jyunntarou先生より、二段目は取付きから1.5mまでのぬめりがひどく、難儀するとのことでH氏と二人がかりで滝を磨く。

ロッコペリは、前日に100均で買った金たわしを投入したが2秒で壊れ、たわし部分が滝つぼに沈んでで行方不明に。ゴミを残置したのは痛恨のミス、機会があれば絶対に回収したい。

どこへ行ってもロッコペリが一番手で挑戦させられる。ワラジは岩でこすってエージング済みなので喰いつきは良好。たわし磨きもあって序盤の難関も問題なく登っていけた。

2番手のjyunntarou先生は、古い沢靴に手を焼きながらも途中から流心に移動し、果敢なる攻めを見せてくれた。

3番手のH氏は張り替えたホムセンフェルトが効いているのか、難なく登ってこられた。

先週jyunntarou先生が来られた時にはまだつぼみだったササユリが綺麗に咲いていた。それを見上げるjyunntarou先生も嬉しそうだ。それにしても、よくあんなところのササユリを見つけたものだと感心する。

ここからの滝は登れないので、ササユリの咲いている滝左岸のカンテ状の急傾斜をのぼっていくしかない。

jyunntarou先生、H氏と先行し最後はロッコペリが登っていく。途中、H氏が崖っぷちぎりぎりまで腕を伸ばしてササユリの写真を撮ってくれた。

滑りやすい斜面なので、落ちたらひとたまりもない。滝口でjyunntarou先生がバックアップをしてくれた。

大滝をクリアすると、鉱山の作業小屋か飯場があったと思しき石積みや滑車などの遺構が散見された。

振り向くと、うまい具合にササユリが咲いているのが見えた。

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