野菜の無人販売所

野菜の無人販売所を造る

~丹精込めて畑でつくった無農薬野菜、みなさまにも美味しく食べて欲しい~

知人宅の古民家のリフォームをしつつ、いつもの山&畑仕事のお手伝いも行っているので、なかなかお山には行けないのがもどかしい。

そんな中、野菜の無人販売所を造ってほしいとの話があり、どうせ作るならよく見かける小屋の販売所ではなく、マルシェの雰囲気を味わえるようなしつらえを考えました。

まずは、依頼人からの要望をまとめていき、簡単なイメージスケッチを描いてみます。この段階では、「シンプルでいい・・」と、言う話でしたが構想が膨らむにつれ、あれこれと設計変更を繰り返すこととなるのです(笑)。

ホームセンターで資材を用意し、無いものはAmazonをフル活用します。作業は、本体フレームから作っていきます。造作では、2×4材が安価で安定していて使いやすく、長さも豊富にあるのでDIYにはもってこいなんです。

フレームの材を加工し始めたら、早速変更の依頼がやってきまし。なんでも、無農薬野菜を使った総菜も売りたいから冷蔵庫を設置したいとの事。この段階なら、大幅な設計変更もOKなので、ここは臨機応変に対応していこう。

屋根は2寸5分勾配、固定棚と可動棚はそれぞれ1寸勾配で作っていきます。可動棚の棚受けレールを取付け、杉板で背板を貼っていき、外装は見栄えも大事なので真鍮の丸くぎ(化粧釘)で仕上げます。

可動棚を作り、側板、腰板などを順に仕上げていきます。横の明かり採りは、雨が吹き込まないように透明アクリル板で羽目殺しの窓にしました。

仕事の合間を縫って、料金箱も作成。板材は全て100均でそろってしまう、なんともいい時代です。引き出しには作業が簡単な南京錠を付けようかと考えたましたが、いかにもって感じが嫌なので、手間はかかるがシリンダー錠にしました。仕上げは自家製の蜜蝋ワックスで、しっかりとコーティングしておいた。

料金箱の表札も、100均で買った板材のあまりで作っていきます。筆書きにしようか迷ったが、文字の退色や耐久性を考えてレリーフにすることにしました。中学校以来の彫刻だったけど、楽しみながら作業ができた。仕上げは筆ペンで墨入れして、こちらも蜜蝋ワックスで仕上げ。

ここで依頼者から、棚が正面が東を向くので日よけが欲しいけど暖簾みたいなものでなく、カフェなどにある巻き取れるやつ、いわゆるオーニングが欲しいとの要望が飛んできました。

オーニングの最小幅は2mの物しかなく、どうしても棚からは大きくはみ出るので設置のしようが無い。そして、本来ベランダや家の軒先に突っ張り棒の形式で設置するものなので、どうしたものか悩んでしまった。

苦肉の策で、フレームにパイプを固定し、それにアングルでオーニングを固定することにします。台風や、強い風でも壊れないよう、特に金物類は頑丈なものを使用しました。

木部には耐候性のウレタン塗料(クリア)を2度塗りして仕上げます。

LED電球と冷蔵庫の電源を配置し、延長ケーブルで母屋から電源を引き込みます。料金箱も取り付け完了。

冷蔵庫もピッタリと収まり、最終点検のあとコンクリートアンカーで地面に固定し、台風が来て吹き飛ばされないようにしました。

点検も無事に済み、改めて依頼者に引き渡しを行います。

早速、何かを置いてみようということになり、依頼者が山で採って来た苔で苔玉を作ったのでおいてみました。

「ほんま、良いのができたわぁ」と、喜んでくれるのもつかの間、お隣のコンテナが錆だらけで汚らしいので、目隠しを作って欲しいと追加要望がきました。

目隠しの面積が広いので、竹で生け垣を作ることにしました。

材料の竹と支柱になるヒノキの木は、依頼者の知人から無償で提供してもらえます。竹に関しては、「山ごと完伐してもらってええよ」と言われるくらい、みなさんお困りの様子です。お言葉に甘えて、程度のいい真竹を沢山頂けました。

竹を四分割にし、節板を抜いてから板材にしていきます。組子は波組で1-3-5-2-4-・・の繰り返しで組んで行きます。最後は半分に割った縁回しの竹を取付けて完成です。残念ながら、完成後の写真を撮り忘れました(^^;

後日、販促のための「のぼり」もデザインしました。今は何でもネットで出来てしまうので、本当にいい時代です。今回はラクスルで発注しましたが、デザインの作成は専用のテンプレートがあり簡単に作れます。そして、入稿完了かわずか1週間足らずで届けてくれて、しかも、料金が安いと来てますからDIYの強い味方ですね。

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