丹生山系雨中ハイク

丹生山系雨中ハイク

新緑輝く丹生山系屏風川雨中ハイク

~しっとりとした森の精気に包まれ天下辻から屏風川をめぐり黒甲越に抜ける~

2022年4月24日

今回のコースは、大池駅~天下辻~屏風川中俣谷A沢~黒甲越東道~峠の小径~右俣平~右俣谷D沢~黒甲越~鰻ノ手池~柏尾谷池往復~兵カン道~谷上駅だ。いつもの、丹生山系を知り尽くしたメンバーH氏とT女子に案内して頂くお気楽山行なのだ。

屏風川周辺の道は全てマイナールート。危険な所やヤブはないが、枝道も多いので土地勘のない方は地図での現在位置の確認が必要。また、幾度も沢を徒渉するので水が浸入しない、または濡れてもよい靴が望ましい。

全員が「雨中登山好き」という物好きのパーティー。雨に洗われ、呼吸をすると肺の中まで新緑に染まりそうな艶やかな森を、そっと静かに歩くのは最高に贅沢な時間ではないだろうか。


神鉄大池駅集合、すでに雨が降っているが生き生きとした新緑が楽しみだ。

今回は、滑落事故の教訓を活かし手のひらサイズのトランシーバーを投入。2台で3000円台と格安の中華製だが、小型特小で技適やVOX、コール機能もついている優れもの。

見通しの良い場所なら3km以上(実測)通話が可能だ。非防水なので、チャック付き袋に入れて携帯するが、通話の音質・音量ともに満足のいくもので、その高性能ぶりにH氏も下山後速攻で購入してしまった。

駅前で雨具の準備をし、天下辻分岐までは20分の道のり。そんなに激しい登りではないが、この季節じんわりと汗をかいてしまう。なので、夏の雨中登山ではカッパの出番は全く無い。

分岐には、三菱雪稜クラブによる「屏風川周辺概念図」が掛かっている。長年にわたって、この複雑極まりないエリアを踏査した先人たちの結晶なのだ。今回のブログも、この概念図に沿って地名を記載しているので参考にしてほしい。

分岐にはオフロードバイクが作ったわだちもある。山は誰のものでもないが、バイクは進入禁止と書かれている以上従って欲しいものだ。特に私有地は厳禁だ。でないと、ブログの最後に出てくる御仁のようになる。

中俣谷A沢沿いを下降中、雨に濡れたあまりの新緑の美しさに思わず立ち止まってしまうほどだ。そして、白い花がちらほら見られるようになると、更に歩く速度がゆっくりとなる。

進むと、左岸一面にシロバナウンゼンツツジが群生していた。その見事な様に、全員が写真と撮りまくっていたのは言うまでもない。

そして、苔の間には清楚なたたずまいのシュンランが静かに咲いていた。花は、うつむき加減なので下からあおり気味に撮る。

降りしきる雨を避けながら、雨があがるのをじっと待つ昆虫もいる。赤い毛虫はゴマフボクトウの幼虫で、アブは湿地を好むコガタミズアブのようだ。

お二人には勝手知ったる道、私は見るもの新鮮で足が止まってしまう。もうすぐ「新緑がステキな黒甲越東道に入る」と、H氏が教えてくれる。普段は水量の少ない二条の滝も、ご覧の通りいい感じ。

倒木に生えるタマゴケと、小さな樹の、コブに付いたコケの間から桃色の芽が顔を出している。どちらも雨でキラキラしている。

さらに、A沢を下っていくと中俣谷本流に出会う。一旦徒渉し、左手中俣谷B沢方向の黒甲越東道に進んでいく。

徒渉地点では、なんとも不思議な緑の大広場が出迎えてくれた。地面も平らで柔らかく、テン泊にはもってこいの広さだ。

傘が開いたような葉っぱは「ヤブレガサ」だそうだ。T女子が名前を教えてくれたが、時代劇好きのロッコペリとしては、どうしても破れ傘刀舟(萬屋錦之介)を思い出してしまう。

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