やせ尾根の先に、目的の桶居山が見えてきた。先行するハイカーの雰囲気からもピラミッドピークの険しさが見て取れる。低山らしからぬこのダイナミックさが、播磨アルプスと言われる所以なんだろう。
それにしても、先ほどからブンブンと熊蜂が多すぎる。
空では、アゲハ蝶の求愛中。熊蜂のホバリングは、オスが行う求愛行動で攻撃性は無し。またオスは刺さないので、無視してそっと離れるといい。
フリクション良好な岩山を、太陽に焼かれながら登っていく。今でこの調子なら真夏は灼熱地獄だな。
登って来た道を振り返ってみるが、あまり進んでいなくてガッカリする。見通しが効く分距離感がつかめないのだ。桶居山まであと少しだが、すでに岩々しているのが見えている。
途中、今にも落ちそうな岩があった。何とかてっぺんに登れそうだが、やめておこう。それにしても面白い造形の岩(※こけし岩)だと思うが、地震ですぐに崩落しそうだ。軽い岩登りを経て、程なく桶居山の山頂に到着。
激登りの後は、激下りが待っている。その先も道が続く。遠くに高御位山の反射板が見えた。高御位山あるあるだが、アップダウンが多く弓形の稜線ゆえ、反射板が見えてからが遠いのだ。
下った先の道に、水色ザックを背負ったハイカーが居るが、遠目に見ても歩き方がおかしい。泥酔したように、フラフラと前後左右にふらついて足元がおぼつかない。熱中症かもしれない。不調を察してか、枯れ木を杖にして、ハイカーはその先の右に延びる尾根をよろよろと下っていった。見たところ高齢者のよう、何事もなければいいが心配だ。
おじいさんが下っていった分岐より振り返ると、やはり桶居山は完全なピラミッドピークだ。グリップが良い岩山だけに、下りでは膝に疲れが溜まりやすい。
どこかで昼食にしたいが、木陰がない稜線ではたまらない。幸いにも、途中の鉄塔下にいい具合影があったので、思わず飛び込んで休憩にした。辺りではセミがもう鳴いている。昼食後しばらく進むと、東隣の尾根に大スラブが見えた。ここには名前があるのだろうか?下山後しらべたけど分からなかった。
先ほどから高御位山のメインの稜線と、反射板は見えているが一向に近づいて来ない。逆に鷹の巣山に向かって離れていく。
手持ちの水分も少なくなり、暑さで体が重い。メインのルートに合流した時には、13時半近くになってしまった。ここから高御座山までは1時間はかかる。予定の宝殿駅までを考えると・・ここで敗退を決定し馬の背を下ることにした。
敗退を決め、馬の背を下ることにしたものの、鹿島神社から曽根駅までの焼けたアスファルト歩きを思うとやはり憂鬱になる。これも、車という交通手段をもたない者の定めと諦める。
反射板を横目に見ながら、近いうちの再挑戦を誓う。何でも「ラクダミクラ」という、一筆書きのルートもあるようなので、合わせて歩いてみたい。
馬の背を、案内通りジャスト30分で下って来た。やはり岩山は慣れていないので、結構膝と腿に疲れが溜まっている。獣除けの柵を抜ければ、そこは鹿島神社の駐車場だ。
鹿島神社のシンボル、チタン製の鳥居の横には大きなトイレがあるので、手と顔を洗ってスッキリする。駐車場にある自販機に、旨いと噂に聞いていたファンタ・プレミアムレモンがあったので、少し高いが迷わず2本買った。一本はその場で飲み干し、もう一本は曽根駅までの道中に頂く。
低山ながら歩きごたえのある高御座山、振り返ると青空に映えていた。それにしても暑いわ・・。
最高点の標高: 243 m
最低点の標高: 4 m
累積標高(上り): 669 m
累積標高(下り): -675 m
総所要時間: 05:15:58
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