仁川渓谷遡行

かおる橋から左岸の土手を歩き、ハシゴがあったので再び入渓し遡行を続ける。

周囲は、ゴルフ場のホールに囲まれていることになる。球を打つ音が時折聞こえてくる。傾斜は緩くなったが、堰堤や谷止めがいくつもやってくる展開に、いささか厭戦ムードがメンバーに漂う。しかし、是が非でもゴルフ場を抜けねば脱出できないので進むしかない。

手がかり足掛かりの無い、微妙な高さの堰堤に手こずる。スリングを駆使してクリアしていく。

もう沢登りというより、水路の散策といった感じ。バシャバシャと無言で進んでいく。

進んですぐ、のっぺりした堰堤に行く手を阻まれる。左岸は無理なので右岸の笹薮からよじ登っていく。笹薮の先では、プレーの真っただ中のコースが広がっていた。

プレー中に出るわけにはいかないので、全員やぶ蚊の猛攻を受けながらじっと藪に潜んでいた。プレーヤーがいなくなったのを見計らって、素早く左岸に回り込んでいく。T女子は、臆面もなくとっとこ進んでいく。見ている方がハラハラする。

左岸にいい具合に刈った草が堆積している地点があった。ハイジよろしく飛び降りる。

更にその先の堰堤は、写真の丸岩を足掛かりにクリアしていく。

堰堤、水路、堰堤、水路の繰り返しに黙々と進んでいく。

もう使えるものは何でも利用して越えていく。早く脱出したいばかりだ。

それでも堰堤は冷酷に立ちはだかる。向うの県道に出たい!ここは両岸とも登る事が出来ない。

少し戻って、左岸の土手をよじ登りコース脇に進入する。

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