仁川渓谷遡行

水質がずいぶんよくなってきたが、また川幅一杯の淵がお目見えする。

右岸をへつり、最後は流れを泳いで横切る。流れがあるので勢いをつけないと押し戻されそう。

ようやく昼食にありつく。会話をする事もなく、それぞれ気ままにくつろいでいる。このメンバーの大人の雰囲気がいい。

短いながらもしっかりと休息を取れたので更に遡行を続けていく。

進んでその先、かなり大きな淵に出会う。奥の流入口は狭いのに、どうしてこのように広がるのか不思議だ。H氏は果敢にも約20mを泳いでいく水深は2m以上あろうか、ロッコペリはやはり苦手意識からかギリギリまでへつっていく。

H氏から、流入口に一か所足がつける場所があるとの情報に意を決して進んでみる。

図は落書き程度で申し訳ないが、恐らくこんな感じになっている。

確かに、水中に人が何とか立てるエッジがあった。お陰で落ち着いて作戦を立てることが出来た。まず、ロッコペリが残置ボルトにカラビナとスリングをセットし足場を作り、H氏を押し上げる事にした。

水面から60cmほど上に1つ目のボルトがあるが、浸水したザックが重りになって、なかなか届かない。水深は2m以上あるので、立ち泳ぎしながらの作業は体力を容赦なく奪っていく。

何度目かの挑戦で、ようやくカラビナをセット出来たので、すぐに片手ブーリンであぶみを作る。写真では浅いように見えるが、二人とも足を突っ張ってスリングにぶら下がっている。

たっぷり浸水したザック自体が荷重となって、ゴボウで登るのにも腕力が限界を迎えた。作戦開始から20分、ようやくラスボスとの戦いを終える。女子チームはさっさと巻き道へ消えている。

巻いたはずの女子チームがなかなか川に戻ってこない。どうやら道迷いをしているようだ。H氏に荷物を預け、ロッコペリが一旦左岸を巻きあがって捜索する。

しばし藪こぎと格闘後、現在地をロストしさまよっていた女子チームを発見。やはりゴルフ場に突き当たり、脱出ルートを探してうろうろしていたとのことだった。

かおる橋下の堰堤は巻けないので、一旦コースを横切ることになる。一種の不法侵入だが仕方がない、いざとなれば素直に謝ろう。

思案しているうちに、本当にプレー中のカートがやって来た。運転をしていたキャディーさんやプレーヤーからキツイお叱りを受けると思ったが、意外にもコース外なら構わないので注意して進む旨の指示を頂いた。

流石に名門ゴルフクラブともなれば、キャディさんもプレーする方も意識レベルが違うと感心した次第だ。

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