丹生山系雨中ハイク

今年は春が遅く、屏風川でもミツバツツジもまだ見頃だった。苔の絨毯が敷き詰められたステージに佇む、ラムちゃんのフォトジェニックな一コマもいい。

何度か右岸左岸を徒渉しながら、B沢を遡行していく。途中、お洒落なギンボシリンガが、苔の裏で雨宿りしていた。

静寂の沢をゆくBE BYOUBUGAWA、苔が素晴らしく踏むのをためらう。こじんまりしているが、岩の色がいい「棚田の滝」。

滝も山と同様、大きければ良いというものでもない。対岸のバットレス上部には、登山道が通っているとのこと。

深山幽谷を歩くとはこのこと。住宅地から一山越えると、こんな素敵な風景が広がっている。やはり雨中では、緑がより深く輝くように思う。

あれこれ撮影に夢中になっていると、あっという間においていかれた。H氏から早速無線が入り、200mほど先にいることが分かった。見通しの効かない谷筋だったが、トランシーバーの音声は明瞭。今後のグループ山行には必携になりそうだ。

少し早いが、「甍の滝」で昼食にする。雨に降られながらも、滝音を聞きながらの食事はまた格別だ。H氏に頂いた冷菓も、ほてった体にはクールダウンに丁度よかった。

昼食の後は甍の滝横を登り、降ったり止んだりの雨中登山を楽しんでいく。ところどころに炭焼き跡が残っている。

今回初投入の新型ハイパーVは、ぬめった苔には普通の靴と変わりないが、それ以外では驚異的はグリップを発揮していた。沢では手作りワラジ一択だったが、考え方を改めようと思う。

時々通過する大広場は、しっとりとした新緑の森でガスがでると幻想的な雰囲気になる。シンガリを行くロッコペリが白い花を見つけたので、T女子に聞くと「トリガタハンショウヅル」と判明。この辺りでは珍しい花のようで、T女子はとても興奮していた。

さらに元「太陽と緑の道」、今は荒れた右俣D沢へと進んで行くが、四駆のタイヤ痕があり歩きにくい所もある。H氏いわく、周辺の進入口を、「私有地、進入禁止」バリケードでふさいでもいたちごっこだそうだ。

ようやく雨もあがってきた。兵庫カンツリー道に合流後、T女子とは一旦別れて反省会のお店で合流の段取りとなった。ロッコペリ達はそれまで時間があるので、柏尾谷池へ足を延ばしてみる。この池は以前遡行してたどり着いたことがあり、何でも天然のジュンサイが採れるそうだ。

雨が上がると、色々は生物が隠れていたところから出てくるのはとても興味深い。彼らにとって、雨粒は巨大な水の塊だから、当然と言えば当然だろう。

再び兵庫カンツリー道へ復帰すると、バイカーが職務質問を受けていた。丁度、T女子を見送った廃寺道の入り口だった。基本この辺りは兵庫カンツリーの私有地となっている。至るところにある看板には「私有地に付きバイク、四駆進入禁止」「直ちに警察に通報します」等、厳しく警告が書かれている。

廃寺道から出てきたところを捕まったようだ。通り過ぎながら聞き耳を立てると、バイカーの虚しい弁明が聞こえてきた。

「この道は、はるか昔から生活道路として人々が利用してきた道だ!通って何が悪いのか!そもそも俺がここを走っていた証拠はあるのか?!」だそうだ。警察官は冷静に「でも、ここから出てきましたよね?」と、現認場所を指さしている。

恐らく、兵庫カンツリーも業を煮やして警察に巡回強化の依頼をしていたのだろう。冒頭の天下辻分岐でもあったように、あれだけ削られると土砂が流出し農作物への被害や、災害につながる恐れがある。土地を保有する兵庫カンツリーとしては、当然の処置だと思う。

この御仁、ごねていたのか注意を受けていたのかは定かではないが、だいぶ時間が経って、我々が街に着くころに追い越していった。恨みがましい一瞥をくれながら・・。

反省会は、以前利用した谷上駅前の鉄板焼き「てこてこ」さんで。感じの良いご夫婦が切り盛りされているお店で、清潔なうえメニューも多くコスパも十分なため、今後の反省会定番のお店になるだろう。

最初の乾杯は個性が出ていて何とも面白い。H氏は、何をおいても下山後には、まずアイスが食べたいらしい。

今日一日、大満足の雨中登山だった。案内頂いた雨好きのメンバーに感謝しかない。

合計距離: 10.35 km
最高点の標高: 497 m
最低点の標高: 236 m
累積標高(上り): 518 m
累積標高(下り): -625 m
総所要時間: 05:07:29
Download file: 20220424_丹生山系.gpx

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