最後の分岐に来たが、本流の右俣をみると一気に戦意喪失させてくれるヤブが広がっている。昼をずいぶん過ぎても空腹感はないが、疲れもあるので今回は一ヶ谷西尾根を目指すべく左俣に進んでみる。
真新しい崩落跡がしばらく続く。
更に崩落跡がひどくなってくるし、岩が固定されていないので歩くだけで新たな崩落を起こしそうになる。左右の岩壁を注視しながら進まなければならない、緊張を強いられる区間だ。
崩落地を過ぎるとホッとする渓相になる。分岐に来たので山頂に近い、右俣を選んで進んでみる。
ホッとしたのも束の間、ナメ状の川床の先には嫌な展開が見て取れる。
かなりエグイ事になっているので、右の尾根に逃げようかと思ったがダメ元で行けるとこまで行ってみよう。
倒木だらけで、なかなか前に進まない。でも、先が明るくなってきたので期待をして進む。
結果が、このラスボスのような大崩落地帯に出くわした。かなりの急傾斜の上、ふかふかの真砂なので土砂崩れを招かないようにトラバース気味に斜上する。
斜面を蹴りんでステップを作るが、くるぶしの上まで埋まってしまい2歩進んでは3歩ずり落ちる展開となる。
崩落地帯上部は笹やぶとなり、すぐに一ヶ谷西尾根に出合う。勝手知った道にようやくホッとする。
右手に石組みを見ながら、気分はハイキングモードで軽快に歩いていける。緊張が解けたせいか、猛烈にお腹が空いてきた。
旧ロープウェイ乗り場を見上げながら進む。六甲ケーブルの職員に頼めば、ケーブル乗り場から快く見学させてくれる。
バス停の下の擁壁をへつるように進むと、一ヶ谷西尾根ルートの脱出地点となる。最後の最後に、観光客が捨てたペットボトルなどのゴミの中を歩かされるのは気分的にへこむが仕方ない。
激闘の末、無事に山上駅に到着。気温は低いが、冷たい物で喉をうるおす。到着したケーブルカーからは、吐き出されるように観光客が降りてきた。そのほとんどが、中国語や韓国語だった。さて、油こぶしで下山しよう。
最高点の標高: 752 m
最低点の標高: 177 m
累積標高(上り): 898 m
累積標高(下り): -964 m
総所要時間: 05:25:21
※1 一度、一ヶ谷の遡行において、ケーブルの車掌から厳しく注意されたことがある。また、他にも多くの方が注意を受けているようだ。軌道への進入はおろか、近づいてさえないのにも関わらずである。車掌いわく一ヶ谷は私有地だからだそうだ。 河川法においては、何人も使用においては制限するものではないとされ、たとえそれが私有地を通っていても適用される。逆に、土地の権利者が独占的に河川を使用しようとすれば国土交通省へ届け出を出し、しかるべき告示をする必要がある。 疑問に思ったロッコペリは国土交通省 近畿地方整備局 六甲砂防事務所へ問い合わせてみた。 ロッコペリ「鉄道の軌道そばや、鉄橋や陸橋の下を流れる川の利用についての見解はどのように考えればよいか?」 担当「河川法により、路地裏の細い水路から山を流れる沢まで、その利用を制限することはできない。つまり、自由に使ってよい。ただし、占有したり環境に悪影響を及ぼす行為は認められない。また、鉄道など公共交通機関の運行に支障のでる使用も同様。特異な理由で占有または使用する場合は、しかるべき管轄において認可を得る必要がある。」 ロッコペリ「施設に接近することなく、川や沢の中を遡行するのは?」 担当「禁止区域内の軌道に進入したり、柵を乗り越えていなければ、先の河川法が優先され自由に通行できます」
この内容をもって、近いうちに六甲ケーブルの方にも問い合わせしてみようと思う。
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