藪に目を凝らすと5mほど上に、石組みが辛うじて確認できた。こんな時のために双眼鏡を持ってくるべきと、いまさら後悔している。斜面をよじ登ると確かに新アイスロードがあった。
D4方向に戻るように進んでみると、道は左岸天端近くまで続いていた。ということは、さらに上流のD5-D4間(地図赤線:地図は最後)にも痕跡を見つけることが出来るかもしれない。これは、3回目の調査時の課題にしよう。
D4左岸からは、ほぼ等高線にそって緩やかに高度を下げていく。これなら氷を積んだ荷車も安心して往来が出来ただろう。
谷側の所々に石組みで補強がしてある。ここが新アイスロードである証拠だ。
枝打ちしながら、調子よく下って行くと知らない間にD3を通過してD2がみえて来た。写真ではすぐそばに見えるが、天端までは15m程の高度がある。道はさらに下流に向っているが、そろそろ高度を下げないと荷車は降りられない。
進んですぐ、少し藪があるが(1)抜けると左手に石柱のような落石(2)があり、丁度D2の天端の真上あたりにでた。道はスイッチバックして下っている。
その先は猛烈な笹薮。先が見たいので、ガシガシを振り鎌を使って道を開いていく。途中、堰堤工事の残骸があるが気にせずに刈り進むと、目の前にD3のコンクリがみえて来た。
少し進んでみたが、道はこの先で断ち切られているようなので、谷に降りず元来た道を戻る事にした。しかし、今思うとD3-D2間も短い区間とはいえ見ておくのだったと後悔している。こちらも、3回目の調査ではっきりさせたい。
道を戻り、激下ってD2左岸の天端に降りる。さらに堰堤際を谷へ下って行くが、泥の斜面で滑ったあげく、運悪く左もも裏に枯れ木が刺さりズボンが5cmほど裂けてしまった。まぁ、お尻が出ている訳ではないので気にしないでおこう。
D2の堰堤内からは猛烈な棘藪、蔓藪を抜ける事になる。赤滝谷の再来を思わせるほど。それでも、新アイスロードの痕跡を左岸に求めると、少し上にわずかな石組みがあった。面倒だが、藪を刈り込みながら登り返す。
石組みを登ると、上流と同じ道幅で20mほどの道があった。この辺りは堰堤工事でほぼ残っていないと思っていたが、最後に痕跡を見つけることが出来たのは嬉しい。
工事の残置物を観察しつつ、このハシゴはまだ使えそうだと値踏みしたりする。道は下流側で削り取られて終わっている。
前回の調査で苦労したD1左岸の天端を見上げる。
さあ、後は消化試合。右岸のホッチキスを目指すが、これがまた、猛烈な藪地獄との戦いだった。なんでここだけ棘藪が多いのか、などと考えつつ鎌を振るっている。下りのホッチキスも倒木でふさがれご覧の有り様。
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