苔のルンゼ第二期整備③

苔のルンゼ第二期3

木ノ袋谷・苔のルンゼ第二期整備3回目

~今回もチェーンソーを持ち込み、前回時間切れでやり残した落下木の撤去処理を行う~

2022年2月27日

山仕事などで色々都合がつかず、3週間ぶりの整備に向かうことに。昨日までの寒さはやわらぎ、気温も3月下旬並みに暖かくなると天気予報が告げている。

今回は懸垂状態での作業はないので、その分荷物が軽くなると思ったが、前回折り畳みスコップや鉈類などを長峰大好きさんに分担してもらった分が加重となり、結局ザックは重いままでの出発となった。

今日の目的は、時間切れでルンゼに切り落としたままの倒木と、河原の整理を行う予定にしている。


今日は15度近くまで気温が上がるようだが、まだ肌寒い気温のなか杣谷道登山口をスタートする。階段上って、すぐのところにある「カンガルーの木」の撮影はルーチンワーク。

少雨のせいで摩耶堰堤の徒渉地点は、妙に泡立っており水質の悪化がうかがえる。摩耶第二堰堤では、「立入禁止」の看板の横ガードが完全になくなってしまったので、新たにバリケード設置の工事が始まるようだ。

これも大事だが、何年も前にTokiwaTrekさんが神戸市に依頼して頂いた、摩耶東谷の徒渉した場所に立つ道標位置の見直しは未だ放置されている。杣谷道や山寺尾根に行くつもりが、東谷に入り込んで道迷いが続出しているにもかかわらずだ。

杣谷道沿いで唯一ハイカーが目にできるのがこの滝。最近では杣谷大滝という名前がついているようだが、杣谷滝くらいでいいんじゃないだろうか。杣谷道は徳川道、カスケードバレーと呼び名が色々あるが、特にカスケードバレー=小滝が連続する谷という意味があるので遡行すると分かるが、杣谷川にはこれよりもはるかに大きな滝はいくつもある。

ゆっくりと木ノ袋谷の取付きまでやって来た。Ⅾ1を越え右岸ルンゼを見上げると、小滝が氷瀑になっているのが分かる。実は苔のルンゼの上流のスラブも、一面真っ白に凍るので一風変わった氷瀑が楽しめるのだ。

ミニゴルジュでは、最近新しい落石があったようで通行には特に注意したい。岩のすき間の水分が凍って岩を広げ昼間に溶ける、夜に再び凍る・・これを繰り返した結果、落石となるようだ。

Ⅾ2ーⅮ3はガレのたっぷり詰まった谷になる。木ノ袋谷は、堰堤を越えるたびにその表情がガラリと変わる不思議な谷なのだ。

今日はいつもの右岸堰堤ぎわを登らず、少し手前のやせ尾根から登ってみることに。結果として、重量物を持ち込む際は、やせ尾根の方が腕力がいらず幾分楽だった。

Ⅾ4下の右岸ルンゼ、やはり取付きは凍っている。といっても、凍っているのは最初だけで、後はいつも通りによじ登っていくことができた。

前回は時間切れで放置したままの現場を、チェーンソーで細断して倒木の処理を進めていく。直径の太い樹は1mほどに細断し、下流に投げ落とさず立て掛け処理にて腐らせていこうと思う。

休憩時に腰掛けるところが無かったので、ついでに簡易のベンチをこしらえておいた。

1時間ちょっとで、ルンゼにあった倒木は撤去完了できた。気温が幾分高いので、バッテリーの消費が抑えられ前回より多く切断できた。

あとは、チョックストーン滝下に投げ落とした倒木の立て掛け処理と、ルンゼの土砂の撤去で整備のめどがつきそう。次回は、シャベルを担ぎ上げての作業になりそうだ。

予定していた本日の作業は終わったので、早々に下山することにする。昼食を摂っても杣谷道の出会いに13時に到着と、かなり早い時間についた。長峰霊園が見えるころには、気温もぐっとあがり、春を思わせる暖かさに汗が一気に噴き出てきた。

摩耶堰堤まで下ると、副堰堤の水通しに獲物を狙うアオサギがいた。副堰堤内は知る人ぞ知るビオトープ、小魚がいっぱい取り残されている。

こんな時間に下山したのは久しぶりなので、ふじ温泉でのんびりすることにした。振り返った長峰ブルーがとても綺麗だった。

【今後の植生回復】植生といっても苔が主体の壁面の再生なので、切土や崩落斜面の緑化工法を参考にしたい。一例として、土とコケ植物や藻類を混ぜ吹き付ける「コケ吹き付け緑化工法」なるものがある。本式とまでは行かなくとも、現場の土と倒木に付いた苔を混ぜて緩斜面散布するだけでも、少しは緑化ができるのではと考えている。苔の植生回復まで、数年はかかると思うが今後も見守っていきたい。
合計距離: 5.86 km
最高点の標高: 528 m
最低点の標高: 78 m
累積標高(上り): 668 m
累積標高(下り): -611 m
総所要時間: 05:27:36
Download file: 20220227_苔のルンゼ.gpx

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