苔のルンゼ再生2と遭難救助

先週に引き続き、木ノ袋谷の苔のルンゼへ

~課題の噛みこんだ根っこは無事に撤去、下山時に遭難救助の補助をする~

2021年10月10日

ロッコペリは、気になる山域に繰り返し入るくせがあるのはプロフィールにある通り。なので先週の作業でやり残した、ルンゼに噛みこんだ根っこの除去に今日も行ってきた。

今回は、人力ではなく滑車を使った倍力システムで作業を行う。動滑車、定滑車それぞれ2個ずつでF=W/4、W=100kgで単純計算しF=25kgでいけるとふんだ。ただし、現実には地面への抗力や引きあげる方向の分力、摩擦係数などを考慮していないから、実際はさらにF値は大きくなってしまった。

ともあれラスボスの撤去に気分を良くし、疲れていたものの意気揚々と下山をしていた。そんな中、摩耶第二堰堤上流の髙巻きにて、遭難救助の補助をすることになるなんて夢にも思わなかった。事の顛末は最後に詳しく載せたい。

今日は、朝から目まぐるしく変化のある一日で、さすがにクタクタになってしまった。


天高く馬肥える秋、登山の秋がやってきた。杣谷道登山口には続々と、たくさんのパーティーが上がってくる。足拵えを済まし、パーティをかき分けるように進んで行くといつものカンガルーの樹がお出迎え。じゃあ、いってきます。

摩耶東谷、杣谷川の徒渉地点をすぎ、夏には裸族のでる釜見下ろす。ここの所の雨不足で、水質は臭いもありとても悪い。上流の杣谷第二砂防堰堤内に堆積している腐葉土の影響だ。

今日は、スタティックロープをφ11×20m×2本をザックに入れている。いつものダイナミックロープと違ってそれだけでずっしり重い。それに、ステンレス製で頑丈な滑車やカラビナ、スリング類のけん引道具、重労働にそなえて先週より多めの飲料水も持っているので、ザックはかなり重くなっている。

普段なら気にもしない堰堤の巻き道も、とにかく息が上がって仕方がない。完全に歩荷状態で、速度も出ず必然的に休みが多くなる。

その日の体調の試金石になるいつもの鉄階段。今日はさすがに手すりに頼った。下山時、この先の露岩部が遭難救助の補助を行う地点になろうとは。

進んで、朽ちたホンダのバイクを横目に見ながら無名の滝を巻いていく。この滝壺にはモズクガニが沢山いるが、今日は小魚しか見当たらなかった。

階段に続く徒渉地点も、水流が少なく簡単に渡れる。

徒渉地点は滝の落ち口でもある。白い綺麗な花が群生しているので、よく見るとダイモンジソウが咲いていた。植物音痴のロッコペリでも形で覚えられるダイモンジソウ、花好きの方は山奥まで見にいかれるそうだ。

摩耶第三堰堤の巻き道は、あえてケルンのある所を直進するほうが楽に進んで行けるし、寒滝への近道だ。ナバ谷北尾根の取付きをすぎると、木ノ袋谷が左手に見えてくる。

多めの休憩や、道草ばかりしていたのでここまで2時間もかかってしまった。出会いでヘルメット等準備をしていると、目の前をシマヘビがのそりと現れた。沢には小さなカエルが沢山いる季節なので、冬眠前の食い溜めのためにいたのだろう。

ロッコペリは昆虫大好きだが、爬虫類にも目が無い。早速、撮影のモデルになってもらった。特徴的なシマヘビの赤い眼は、まるでルビーがはめ込まれているようだった。

ここから先のしんどさを考えると「もう下山しようかな・・・」などと弱気が出てくる始末。だらだらと、蛇と戯れているのもそのせいだ。

気を取り直して、木ノ袋谷に入っていく。まずはⅮ1左岸より巻いていく。渇水期は、大滝までのⅮ1~Ⅾ4は全て左岸巻でも大丈夫。

Ⅾ1上流のゴルジュを抜け、今日もⅮ2を右岸から巻いていく。袖天端からの下降には、Nさんが仕込んだ丸太が役に立つ。

ゴーロを抜けると、D3も右岸から巻いていくが少しいやらしい登りになる。

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