観音寺谷左俣再訪

ロープ場の先、尾根を巻くように更にトラバースルートが続いている。この先は観音寺谷左俣が待っている。しばらく進むと、かなり斜めになった道をひやひやしながら通過していく。左手の谷が近づいてきて、前回の見覚えのあるチョックストーンのある小滝手前に降り立った。

その向こうに、第二尾根に続くトラバースルートを確認しつつ、目的の三面壁で囲まれた枯滝目指して下っていく。

小さな段差も丁寧に下る。飛び降りると、落ち葉に隠れた石で捻挫する羽目になるし、こんなところでは致命的な結果を招く。向こうが明るくなった先に課題の滝が待っている。

滝口の上の小滝より俯瞰する。小滝はクライムダウンして、写真左上の枯れ木のそばの若木にビレイポイントを設定する。いったん懸垂下降で枯滝を降りて登り返す計画。

ザックをおろし、懸垂下降の準備をしていると第二尾根のトラバースルート付近から「ヤッホ~」との声。見上げると距離にして30mほどか、なんとまたしてもnagaminedaiskiさんがおられた。目的は違えど、同じ山域に知人がいるのは心強いものだ。谷越しなので、しばらく大声で話をし情報交換。その後、ビレイポイントの設置をし懸垂下降に入る。

ロッコペリ
ロッコペリ

自動ロックシステム:ロッコペリがよく使うエイト環を使ったシステムで、荷重は常に大環にかかっています。落下時やブレーキの際は自動的にロック(写真左)します。反対に、小環を押し下げるとロック解除されるしくみです。ただ登り返しの際は、谷側のロープを使って、常にロープにゆるみがない状態を作る必要があります。また、エイト環への取りつけループが逆になると、全くロックしないので注意が必要です。小環には脱落防止のカラビナを取り付け、ハーネスにスリングで接続します。

下降中

滝の高さは10mほどだろうか、ビレイポイントを滝口よりやや上に取るしかなかったので、20mロープではほんの少し谷までは足りなかった。ロープいっぱいまで下降し登り返していく。

前回左岸を巻く時にも思ったが、風化が激しく岩質はもろい。今回も、大き目のしっかりしたホールドだったので、ぐっと力を入れたら40cm角くらいの岩板となって剥離した。

その後、3回ほど下降しては登るを繰り返したが、やはりフリーではかなり気を付けないともろい枯滝だ。

枯滝を十分堪能したので、次の目標のチョックストーンへ向かう。谷を登りトラバースルートの地点にやってきた。両岸にピンクテープが巻かれているのが目じるし。

段々の小滝を抜けていく。この最上段は、前回同行者がてこずった場所。小さなスタンスと、フリクションを頼りに抜けるしかない。小さいくせに手こずるところ。

10分ほどもがくと、チョックストーンへの分岐がお目見え。前回は、中央の尾根筋を登った。

さて次の課題、このチョックストーンをクリアしていく。チョックストーン右手は手掛かりがなさそうなので、左手に求める。

左手は2mほどの岩壁。最初のステップが決まれば後は何とか越えていける。そのためには、狭いクラックを利用するしかない。ロッコペリの手は、バナナやグローブと称される位に太いので2・3指の第一関節までしか入らなかった。

重いザックと相まって、それなりに大変だった。ブログを書いている今でも、指に違和感が残っている。

さあ、本日の課題はすべてクリアしたのであとはひたすら上り詰めるだけだ。ただ、この先の状況を知っているので、なんとか楽をしたいと思っている。本来は直進だが、右岸から入ってくる支流へ進むことにする。

支流に逃げたものの斜度が増した分、結果として状態はさらに悪くなった。まさに四つ這いでよじ登ることになり、ちっとも進まない。

終盤目の前に尾根が見えているのに、壁が立ちふさがる。たまらず立ち木を頼りに左の尾根にエスケープする。

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