潜行開始から30分、寒さにもなれ不思議なことに岩肌の湿り気も無くなって来た。斜坑に差し掛かると、ようやく人がすれ違える幅が出来たので、J先生と先頭を交代する。
周りを見ると、狭い横坑が何本か見えるが相当小柄でないと作業するのも困難だろうに、昔の人は小さかったんだと改めて思った。
斜坑の先は、再び狭い坑道になる。J先生の姿が、見え隠れしながら消えていく。ご覧の通り、支保工の足場は腐りもせず乾いている。
突然、J先生の叫び声と何かが崩れる音がしたので慌てて潜ると、J先生いわく、はしごが腐って崩壊したそうだ。ロープとアッセンダーのおかげで、ミノムシ状態になったとのこと。のぞいて見ると、はしごの上段は崩落して跡形もなし。
はしご高さは約3m、残りのロープも5m・・立坑はまだ続いているが登り返しの体力を考えると、潜行開始から36分、ここが終了点で妥当との結論に至った。さて、ここから地上までの激闘がはじまる・・。
空中懸垂で降りたところは、クライミングの登り返しの技術が必要。狭い所はチムニー登りでと、持てる体力と技術で50m先の地上に向かっていく。
もがいて、ようやくテラスに到着。下降した時には分からなかったが、よく見るとテラスも板を渡しただけの足場というのがよくわかる。つまり、いつ踏み抜いてもおかしくないということだ。
小石の落石に耐えて頂いたJ先生に「上がってください」と、声を掛ける。
j先生は登り返しながらも、周囲をしっかりと観察している。ズリを排出する竹かごが転がっていたと、後で写真をみせてくれたが、ロッコペリは全く気が付かなかった。この差が、万一の時にでるのだろうと反省した。
地上まではがむしゃらに登ればいいので、下降よりも早い時間で戻って来られた。ビレイ解除までは集中力を切らさず、安全に脱出を行った。ミッション達成に、互いにガッチリ握手し健闘を称えあった。
日のもとでお互いを見ると、まあ装備も体もドロドロで激闘の跡がよくわかる。アドレナリンおかげで気分は高揚しているが、体力を消耗した体で登山口まで下るのは、すごく長い距離を歩いている気分だった。
※今回ログは、アプリの開始ボタンを押すのを忘れて残っていない。どうしてもという方は、昨年のログを参照されたい。
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