登り返した先に有ったのがこの蟻塚。一瞬ギョッとしたが、よくみるとコンクリの廃棄物だった。おそらく堰堤工事でのものだろうが、昭和の工事は環境への配慮がなかったのがよくわかる。
結局ごたごたしたのは取付きから15分程度で、その後は尾根通しのとても歩きやすい道が、縦走路に出会うまで続くことになる。途中、火の見櫓のようなとても小さな鉄塔があり、六甲山系では珍しと思い写真に収める。
その先は、実業学院の演習林とおぼしき開かれた場所を通過、東からこちらに続く道も確認できる。
演習林からもご機嫌の尾根通しの道が続き、破線路であるのが不思議なくらいに歩かれている。辟易するくらいのピンクテープの多さからも、その通行量が想像できる。ただ足元は、かなりドングリが密集しているので滑りやすく気を遣う。
地形図の標高300付近から、進路は北西に転進。その先の特徴的なピラミッドピークを目指す。標高差わずか50mだが、結構な急登と堆積した落ち葉でなかなか前に進めない。
ピークは進路の転換点、ここから北東のコルへ向かっていく。左手に菊水山が見えたが、その奥に広がる鉛色の雲行きが怪しいと思ったとたん、横殴りの吹雪に見舞われた。時間にして10分程だろうか、まるで春の嵐のようだった。
尾根筋のはっきりしたルートだが、斜度があがるにつれ時折岩稜地帯やスラブが現れ、変化があって面白い。
スカイラインが見え、いよいよこのルートも終点が近い。急登にはなるが、張り出した根が階段状で登りやすくなっている。急に視界が開けると、整備事業で伐採工事が行われたエリアにでる。縦走路は、すぐ目の前を走っている。
脱出地点は、天王吊橋から数えて2つ目の鉄塔そば、鍋蓋山まで10分弱のところ。
昼には少し早いが、鍋蓋山山頂ではすでに数組が休憩している。写真を撮っている間にも続々と人が上がってきて、椅子取りゲーム状態でたちまち密状態になってしまった。
我々はのんびり下山予定なので、市ケ原で昼食を摂ることにした。
最近、六甲山系の至るところで私設の山頂標を見かけるが、鍋蓋山も御多分にもれず看板が増えた。テープマークもそうだが、一つあればいいものを自己顕示欲の表れか理解に苦しむ。好き勝手にみんなが設置すれば、どうなるかは自明の理だ。
再度公園でお昼休憩のためか、大龍寺からの縦走路はそこそこ混雑している。すれ違う高齢者の方は、本当にみなさん健脚でいらっしゃる。ロッコペリが同じ年齢になった時、果たして歩けているのか心配してしまう。
市ケ原では、ソロキャンプの余波が続いているようで、谷風のなか直火で懸命に火おこしをされているグループが何組もあった。盛大に煙幕を張っているグループは、見ると生木をくべているが、風下で休憩する人には大迷惑だろう。
我々はささっと昼食を済ませ、デザートに桜餅とアイリッシュコーヒーを頂く。谷風で少し体が冷えたので、さらに櫻茶屋にて温かい甘酒を頂くことに。
店の前では沢山のハイカーが休憩されているのに、店内は我々のみと寂しい。ベンチ周辺の清掃やトイレの管理、自販機の補充など色々とお世話になっているので、できれば積極的に利用して頂きたい。
数年前にお亡くなりになった櫻茶屋のおばあちゃんは、ハイカーのために痛む足を引きずって自販機への飲料補給やトイレットペーパーの補充などをされていた。今はおばあちゃんの意思を継いで、ご親族の方が遠方より来られて、週末だけ切り盛りされている。
甘酒を頂いた後は、新神戸に向かって下っていく。ブラタモリ紹介された堰では、いつも透明度抜群の水が枯れることなく溜まっている。ただ、ここのところの少雨のせいで布引のダムは水位が低い。
やはり布引の滝は渇水状態。豪快な滝もいいが今日は鏡面状態、これはこれでいいものが見られた。
猿のかずら橋を過ぎると、神戸港町の風景が飛び込んでくるあたり、フェンス越しに布引の滝の滝見台を見下ろせる場所がある。なぜか、いつものぞき込んでしまう。
今日は週末の疲れが残っているので、早い時間に下山し、いつものふじ温泉に向かうことに。結局、ほとんど縦走路を歩かず、寄り道と休憩ばかりだった。次回の掬星台へは、初めての寄り道コースがあるので楽しみだ。
最高点の標高: 484 m
最低点の標高: 32 m
累積標高(上り): 666 m
累積標高(下り): -654 m
総所要時間: 04:04:25
コメント
いつもブログで勉強させて貰って
ありがとうございます。
以前 ハチノス大滝の氷爆の時に
一瞬すれ違わせてもらった者です
今 六甲道の灘図書館で、昔の
六甲山を知ろう というイベント
が行われてまして ケーブルと
ロープウェイなどの チラシ が
展示してありますよ。
よかったら どうぞ。
もう 行かれてたら ごめんなさい
3月いっぱいまで やってるそうです。
こちらこそ、いつもご覧いただきありがとうございます。
これは食指が動く貴重な情報ですね。まだ行ってないので、週末にでも行ってこようと思います。
ありがとうございました!