寄り道ばかりの縦走路②

転進地点から20分ほどでゴールとなる。右手に建屋を見ながら下ると駐車場わきに出てくる。電柱のお助けロープを使って、妙に段差の広いステップを使って着地する。

菊水ゴルフから有馬街道を渡り、「救霊隊」なる石碑を右手にみながら市道極楽谷線へと進んでいく。ついでに次回の、鍋蓋山への破線路取付きを尾根尻に確認しながら七三峠へ向かう。

天王谷に多くみられる古い様式の堰堤がここにもあった。昭和26年竣工とある。このあたりは、六甲山系でも特に古い堰堤が多い地域となっている。

そして、どういういきさつかは想像つくが、堰堤の上流の河川敷に家が建っているのはどう見ても危険でおかしい。というか、堰堤内に家を建てている場所が本当に多い地域なのだ。

舗装路は地味にきつい。ロッコペリは、ダラダラと坂が続くのは苦手。その上、この辺りの破線路の取付きを探索しながら歩くから余計に足が進まない。ふと谷を見ると金庫が棄ててあった。山友さんから、金庫を開ける番組があるとかでしばらく盛り上がった。

神戸実業学院の先で車は通れなくなっているが、道は続いているので進んで行く。

途中、なんとも丸みを帯びたかわいらしい建機があった。まるで甲虫のようなフォルムをしている。

しばらく進むと、ようやく七三峠のトンネルに到着。トンネルは老朽化を理由に封鎖されている。

この辺りの変遷は、ネットに詳しく出ているので興味のある方は見て欲しい。色々とディープな地域なのがよくわかる。

トンネル手前の巻き道から七三峠の門柱を過ぎ、二本松林道へ向かっていく。その前に、トンネルの反対側も見ておきたい。こちらもガッチリと封鎖されている。

トンネルわきの広場には、いつの時代のものかは分からないが、モルタル仕上げの精巧なオブジェが転がっていた。結構細かく作りこんでいるので、宗教的な物なのかそれとも何かの儀式用なのか興味は尽きない。

そして、すぐ先に手彫りのトンネルがぽっかりと口を開けている。一説には防空壕ともいわれるが、壕だと貫通する意味はないので、何かは未だに分からない。ブルーシートの見える向こう側は堰堤内で、道は切れ落ちつながってない。

廃トンネルから二本松林道を経て、15分ほどで猩々池についた。昼は賑わう猩々池だが、さすがにこの時間は誰もいない。この後は下るだけなので、東屋でゆっくりとお昼ご飯にする。

セブンの冷凍うどんは、麺にコシがあり出汁が香ってとても旨い。調理の注意としては、凍った出汁を極弱火で3分ほど溶かす必要がある。以前ロッコペリは、強火で盛大に底を溶かして穴を開けてしまい、大変な目にあったことがある。山友さん差し入れの、デザートの甘味はホッとできるのでありがたい。

顔を上げると、歴史ある猩々池なのに目の前には無残な光景が広がっている。これも上流に出来た堰堤の影響だが、ハッキリ言って防災上あそこに要るのか??兵庫県には浚渫工事などして景観再生を行って欲しいものだ。

ちなみに、以前の猩々池はこんなにも美しかった。季節ごとの風景が楽しめ生物にとってもコロニーだった。ハイカーにとっても、一息つく休憩場所に最適だった。

猩々池からの下山路は4つ。大師道を下って元町に抜けるか、北野異人館から新神戸、もしくは城山経由サルのかずら橋、そして城山から新神戸直行だ。理由はトイレに行きたいから(笑)

元々お腹が弱いロッコペリの頭には、各所にあるトイレの場所の詳細やトイレットペーパー設置の有無まで記録されている。例えば、縦走路でも参加者が知らない場所を知っているから、仲間からはいざという時に重宝がられる。

ということで、思案した結果は新神戸駅直行ルートになった。後は気楽なハイキングモードで進んで行く。途中、ロープウェイのゴンドラが同じ高さになる場所があるが、観光客に手を振ると喜んで振り返してくれる。

下っていると、一瞬ギョッとするような立派なイノシシが生えている。まさに、もののけ姫に出てくる乙事主(おっことぬし)に見える。

堆積した落ち葉に気をつけながら無事下山。新神戸駅の高架をくぐり、市バスにて帰路につく。〆はいつもの銭湯で。

合計距離: 10.57 km
最高点の標高: 453 m
最低点の標高: 61 m
累積標高(上り): 992 m
累積標高(下り): -1072 m
総所要時間: 05:23:40
Download file: 20220130_寄り道縦走.gpx

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