姫路城

城を災いから守る鯱瓦より瀬戸内を望む。鯱は想像上の生きものとはいえ、なんとも凄みのある造形だ。リの一渡櫓で、江戸時代から昭和までの鯱瓦が一度に見ることができ、レプリカではあるが、当時の職人さんのすごさを知ることができる。

大天守一階、西小天守へ続く二の渡櫓を結ぶ扉は、ご覧のように二重扉になっており全て鉄板で覆われている。開閉は、大天守側からのみ閂(かんぬき)で行えるようになっている。

小さいくぐり戸は人ひとりがやっと通れる大きさ、つまり刀を差しては通れないことになる。こんなところにも軍事要塞としての工夫が見られるから驚きだ。

大天守を降り、備前丸までくるとお城巡りも終盤。天守閣群を正面から見上げるが、個人的にはあまり魅力に乏しくあまり好きなアングルではない。

備前丸の南東端、市内を見下ろす石段に三等三角点「姫路城」が隠されている。気になる方は腰を痛めないよう蓋をどけてみよう。同じく、ここからは播磨アルプス(高御位山方面)を見ることが出来る。

さらに下の曲輪には番町皿屋敷で有名な「お菊井戸」がある。ロッコペリが子供の頃は、クスノキなどの鬱蒼とした林の中にあった。

のぞき込むと引き込まれそうで怖かったが、平成の大修理で綺麗に整備されたせいか、こうも明るいとお菊さんも出づらいだろう。

順路をそれ、「るの門」から出口に向かう。ここは埋門(うずみもん)と呼ばれ隠門(かくれもん)的な配置となっている。

菱の門から侵入した敵兵からは死角になり、行き止まりと勘違いして「いの門」に戻ろうとしたとき、「るの門」内側に隠れていた兵が背後から突くという戦略だ。これが「横槍」とよばれる戦術。

万一「るの門」の存在に敵軍が気づいたときは、石垣自体を崩して門を埋めて侵入を防いでしまう。

寒空に元気に生きているネコと戯れつつ、雲間から日が差し白漆喰の輝く瞬間を待つ。

お城の漆喰の塗りなおしは50年ごと。平成の大修理後も「白すぎる!」と、職人の苦労をよそに賛否両論あったそうだ。しかし、次の塗り替えの頃にはこの世に居ないであろうから、あるがままを楽しんでおくのが得策と思えばいい。

姫路に行くと必ず立ち寄るのが「一成 だるまや」さんだ。本日のおすすめはもちろん、定番の一品やおでんが旨い。おでんはもちろん生姜が効いている、他から「姫路おでん」と呼ばれるやつ。あつあつに、冷えた地酒を合わせるのが最高だ。

折しも、今日はG1レースが行われるようだ。競馬に興味はないロッコペリだが、レース物なら全般に好きだ。ゲートインの瞬間から、全員画面にくぎ付け。ゴールの瞬間、茶髪のお姉さんが小躍りして喜んでいる。そして、ピースならぬ3本指を立てているのは、どうやら三連単を取ったことらしい。

「幸運のおすそ分けに一杯おごるわ!」と、言うようなことは残念ながらなかった。

コメント