三ツ下谷再訪

三ツ下谷へ入ると、水温も下がり一気に水質が良くなってくる。堰堤が無いおかげで、沢特有の生臭さもなく気持ちよく遡行が楽しめる。連続する小滝も、わざと水を浴びるように登ると、とても気持ちが良い。

一応ここを三ツ下谷のF1と呼ぶ。水量は前回よりも少ないが、オーバーハングで登りにくいのは同じ。登り始めて、右手のホールドに力を掛けたら「ボコッ」と、抜けてしまったので、今日は左岸を巻くことにした。

ただでさえ手足の少ない滝なのに、更に難易度を上げてしまった。三ツ下谷は滝の規模と難易度が一致しない。

巻き上がったすぐ上に、とても目立つキンモンガがいた。黒地に薄黄色の紋がキレイな”蛾”だ。残念ながら蝶ではない。

続いてF2に到着。前回は調子に乗ってフリーで右岸の壁を登り、真ん中付近からグランドフォールしたので、今回は左岸より登っていく。

負傷した肘と膝の傷も、約2週間で最後のカサブタがとれたが汚い傷跡が残った。

そんなわけで今後の沢登りを考えると、プロテクターの装着を真剣に考えている。沢用の薄いEVAフォームではなく、昔レースをやってたのもあり、ついモトクロス用に目が行ってしまう。

F2のすぐ上にF3がお目見え。9mほどの滝だが、ホールドは豊富にあるのですんなり登っていける。ただ、滝口のスラブ状の所がいやらしいので慎重にクリアしたい。

F4はぬめりで滑るとはるか下まで止まらなので、今日も左岸を巻いていった。この辺りになると川床の岩が赤くなるのも面白い。

三ツ下谷最後の滝はF5の10m滝でおしまい。F5は次回、グループでの遡行のためによく観察しておく。右岸にルートがありそうだ。

後は、いくつかの小滝とナメを楽しんで遡行は終了となる。天狗岩の尾根端の二俣地点で脱渓。今度は、左俣を石楠花山までつめ上がっても面白そうだ。

尾根端は広場になっており、そこで沢装備を解除する。なんと前回残置した手袋がそのままあり、無事回収できたのは嬉しい。

後は尾根筋の激登りをへて天狗岩に向かう。途中8cmくらいのクルマスズメの幼虫が枝にしがみついていた。ズシリと可愛いやつだ。

標高差130mの急登なので、知人の体力もあり時間をかけて登っていく。天狗岩直下の岩塊にくれば残りはあと5分の岩登りだけ。登りきった所は天狗岩より10mほど西の岩塊。

天狗岩の向こうは切れ落ちた断崖だが、先端に立つと心地よい浮遊感が味わえる。遠く縦走路の越えていく山々や、明石海峡大橋を望むことが出来る。石楠花山に来たなら是非立ち寄りたいポイントだ。

天狗岩からは、一旦下りピークを1つ越えてからの、登り返しのやぶ漕ぎが待っている。やぶ漕ぎと言ってもすぐに抜けることができ、その先すぐに石楠花山の登山道に出会う。

この日は、マイナーなトレラン大会が催されているようで、時折よろよろと歩くランナーすれ違った。ロッコペリの知るトレランのランナーは体が締まり精悍な風体だが、ここですれ違うランナーは程遠い体型だった。たまたまなんだろうか、少し気になった。

下山は知人と打ち合わせし、摩耶ビューラインを利用することにする。獺池を通過しシェール道を経由して掬星台を目指すが、沢遊びの後は地味に疲れがでてしまう。

知人も重い荷物と暑さとの戦いで体力の限界か、とぼとぼ穂高湖の堰堤までやって来たがどうにもスピードが上がらない。木陰のベンチで大休憩のあと、掬星台に向かった。

合計距離: 8.35 km
最高点の標高: 687 m
最低点の標高: 240 m
累積標高(上り): 702 m
累積標高(下り): -257 m
総所要時間: 07:25:33
Download file: 20210808_三ツ下谷2.gpx

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