適当な所で、南にトラバースしてみる。振り返ると結構しっかりした道にみえる。そして、ハッキリと稜線がみえて来た。
トラバースしてすぐ隣の谷へ入った途端、写真で見た風景がお目見え。「やっと着いた」と、なぜか意味も無くホッとする。
左端はバットレス状で、中央は大きなスラブだ。高さは50mほどあるだろうか、10mほど先はデッキ状に傾斜が緩んでいるように見える。
岩肌はザレることなく、フリクションも良いので取りあえず登って見る。しばらく登り振り返ると、なかなかの高度感にビビる。
斜度はこのぐらいだが、滑落すれば下まで止まらない。登る前にヘルメットを着けるべきだったと後悔する。
ようやく斜度が緩むデッキ地点に登って来た。ここから30m程上までは、斜度が一気にきつくなる。
ふと南方向(右手)を見ると尾根を乗越すように踏み跡が見える。どうやら、ここがトラバース地点のようだ。
この時点では、ここが中央の第二ルンゼなのかどうかも分かっていない。
取りあえず、北側バットレスの尾根状の所まで慎重にトラバースし登っていく。
その先の尾根上に、真新しいボルトが設置されていた。方向がバットレスの更に北側の崖に向いているので、ここを支点に降りてみるのも面白いかも。
上からのぞくと、先ほどの谷筋がはっきりと確認できたので、ここが第一ルンゼであることは間違いなさそうだ。
遅めの昼食を済ませ、立ち木に支点を構築、太めの松にランニングビレイを取り懸垂下降する。この時点で、結構なにわか雨に降られる。岩肌が濡れてしまって、登山靴では滑りやすくなってしまった。
50mロープの中間マーカーを過ぎてなおも下降し、さらに10m程降りると、先ほどのトラバース地点に着いた。
アッセンダーをセットし、登り返していく。岩肌はしっとりしているが、ズルっと行くほどではない。太陽も時々顔を出すのですぐに乾くだろう・。
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