新アイスロード探索
~消えゆく新道をたどる(2回目)~
2020年11月01日
前回の山行後の復習で分かったことは以下の通り。
- 古い地図は測量が正確ではない。複数枚合成して確認してもかなりあいまい。
- 前回は廃屋をたどったが、そもそも氷を載せた荷車はそんな所は通らない。新アイスロード沿いに住居が建っていると考えるのが自然。
- 荷車が往来するのだからそれなりの道幅があり、場所によっては道は補強されているはず。
- 昭和13年の阪神大水害でルートは寸断されているはず。
- 堰堤工事の際には、通路として利用された可能性を考慮。
- 100年近い間に、幾多の台風や大雨での道の消失、樹木の繁茂など地形の変化があって当然。
以上をふまえての再探索だったが、結果としてはぶつ切りではあるが新アイスロードの断片を確認できただけでも大きな収穫だった。
氷を積んだ荷車が通ることを考えながら、藪の中の点をつなぐように進むルートファインディングは中々面白かった。これまで以上に、地形を見る力が試された感じだ。
そうそう、今回は場所によっては猛烈な藪こぎを強いられるのは分かっているので、武器として手鋸、鉈、振り鎌を駆使して突破。特に、前回手を焼いた棘植物にはかなりの威力を発揮した。
最後に、新アイスロードは廃道好きバリルート好き以外は、おそらく訪れる人はいないと思う。今後は消えゆく運命にあるアイスロードだが、今回記録に残すことで誰かの役にたつかもしれない。また、MuscleTurtleさんより廃道になった新アイスロードに関する貴重な情報提供を頂き、この場を借りてお礼申し上げたい。ありがとうございました。
【前回の探索の様子はこちら】
出発前に、本日の探索で気になる事があり調べ物をしていたら遅くなってしまった。大土神社は紅葉ではなく枯れているように見える。六甲ケーブルも大盛況、続々とバスから人が降りてくる。
長峰山の東にあるこの谷域も、未探索なのでいつかは通い詰めてみようと思っている。
途中、弁天滝から大音量の音楽が聞こえて来た。男性が巨大なラジカセのようなものを鳴らしていた。頭が痛くならないのが心配してしまう。
秋空に映える新六甲大橋仰ぎ見ながら交差点を過ぎ、アイスロード入口に到着。
バリエーションルート探索には必須の装備。脚絆に山林作業用スパイク地下足袋。これで、どんな軟斜面でも大丈夫。靴の中にゴミが入って靴下を汚すこともない。但し岩場ではスケート靴のように滑るので扱いに慣れが必要。
旧六甲登山架空索道跡の構造物も、何とか歴史遺産として保存できないものか。こうして朽ちていくのはもったいない気もするが・・・。乱開発された六甲の山が、自然に帰ろうとしているとも取れる。
トワイライトゾーンを抜ける。
アイスロードのランドマーク、第一支柱跡を過ぎていく。
真水谷の茶屋跡、木製のベンチを過ぎさらに登っていく。
進行方向左手の山腹を注視していると、第三支柱の基部につながる辺りで土留めの石組みが見えた。前ヶ辻第二砂防堰堤から少し手前の浅い谷には、堰堤工事の時のものと思われる遺構がある。こちらは第三支柱との関係は分からない。
鉄階段、プラ階段を登りつめ前ヶ辻を目指す。
道すがら、名前もしらない花を写したり堡塁岩方面の紅葉の始まりを楽しんだりしながら、新アイスロードの起点に到着。ここを左に向っていく。
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