地形図を読む

覚えておきたい地形(地形図)のクセ

Mount Tnigawa

私たちが目にする山や谷は、突然できたわけではありません。何千万年にもわたる火山活動による地面の隆起と、それよりも早い水による浸食によって作られました。地形図は、いわば地球の活動の一瞬を形にとどめたものと言えるでしょう。地形図を読み解くことによって、ダイナミックな山の成り立ちに驚くとともに、山に対し謙虚になれたらいいと思います。

1.基準は1/25,000の地形図

国土地理発行の地形図は、1/25,000の地形図が基準となっています。他の縮尺もありますが、おそらくこれ以上縮尺が大きくても小さくても扱いづらいからなのでしょう。

1/25,000で、距離を求めると次のようになります。

  • 地図上の1cm=実際の250m  式:1cm×25000÷100=250m
  • 実際の100m=地図上の0.4cm 式:100m×100÷25000=0.4cm=4mm
摩耶さん
摩耶さん

Rokkopelliさん、質問です。「この地図は縮尺が大きい」とか「小さい」って言いますが、一体なんのことなんですか?

Rokkopelli
Rokkopelli

1/5,000の地図を「縮尺が大きい」といい、1/50,000地図を「縮尺が小さい」っていう、あれですね?

摩耶さん
摩耶さん

そうそれ!1/50,000の方が数字が大きいのでこっちが「縮尺が大きい」と思うのですが…。

Rokkopelli
Rokkopelli

確かに、分母をみるとそうだけどね。でも、この場合は素直に計算すると分かりやすいよ。では、やってみるね。

1/5,000=1÷5000=0.0002
1/50,000=1÷50000=0.00002

さぁ、もうわかったよね。答えをみると、1/5,000の方が大きい事がわかる。縮尺の大小はこうやって判断するんだ。

摩耶さん
摩耶さん

なるほど!地図の大小は縮尺をそのまま計算すればいいんですね。ありがとうございました。

2.等高線の成り立ち

等高線の意味

等高線は、地形を同じ標高でスライスした断面の形を表します。地図の中で一番大切な要素です。

  • 等高線が「疎」=緩斜面
  • 等高線が「密」=急斜面

3.計曲線と主曲線

計曲線と主曲線

等高線には主に「主曲線」と「計曲線」があり、1/25,000の地形図では次のように規定されています。

  • 等高線は10m間隔。
  • 主曲線は細線で表される。
  • 計曲線は太線で50mごと場所により標高の数字が記入される。

4.意外に高い10m

10mの高さの比較

等高線は10m毎に表されますが、逆に考えると10m未満の隆起部分は表現されません。図は、等高線1本分の中に3階建ての建物くらいのピークがあっても、表現されないことを表しています。

実際に、現地で10m近いピークはとても大きく見えます。こんなに大きいピークが、地形図に現れないことが読図によるルートファインディングを難しくしています。

※ルートファインディング:読図を元に、地図やコンパスを使って正しいルートを見つける技術。

5.ピークとコルの見かた

ピークとコル

ピークは周囲より高くなっていて、等高線が円く閉じています。対してコルは鞍部(あんぶ)、キレット(切戸)と呼ばれ、コルに向って道が付いているときは峠や乗越と呼ばれます。コルでは等高線が括弧 )( のように向かい合います。

  • ピークでは等高線が円く閉じる
  • コル(鞍部)はピークとピークの間で低くなったところ。コルでは必ず等高線が向いあう
  • ピークとコルは交互に連続する。これを「稜線」という

6.谷(沢)の付きかた

谷の成り立ち

冒頭で、地形は水の浸食作用によってつくられることは述べましたが、その水(沢)の流れにも特徴があります。

  • 沢はピークかコルに突きあげる
  • 「ツメ」は沢が突きあがった所。源頭とも言う。
  • 沢は、ツメに入ると一気に標高を稼ぐ
  • 尾根と違って起伏は無く、下流からツメまで登りつめる。

7.尾根の特徴

尾根の特徴

尾根はピークに向って、左右が谷になっているところ(切れ落ちている)をいいます。山の用語で「尾根に乗る」とは、まさに尾根の真上にいることをさします。後述のコンパスを使い尾根での方向確認を行う場合は、必ずこの「尾根に乗った」状態で行います。では、尾根の特徴を見ていきましょう。

  • 尾根はピークから始まり、原則3方向に伸びる(ピークとピークが近い場合は、くっついて5方向の場合もある)。
  • ピークは、道の進行方向が変わる転換点。
  • 道はピークを通るとは限らない。道迷いや、危険防止のためにピークを避けて道がつく場合がある。

8.尾根と谷(沢)の関係

全ての谷尾根

地図上で尾根をたどる時は「下から上」、沢をたどる時は「上から下」が原則。

  • 沢の分岐点は尾根の先端
  • 尾根は沢にはさまれる
  • ピークからルートを読むと支尾根に惑わされる
  • 沢の遡行は上流にいくほど支沢が増える
  • 尾根歩きは下り、沢沿いの登りは迷いやすい

9.尾根と谷の見分け方

谷と尾根の見分け方

等高線の形状から、そこが尾根なのか谷なのがを見ていきましょう。尾根はピークから始まるので、迷ったらピークを探しましょう。

  • 尾根は、等高線がアルファベットの「U」字型に丸くなる。
  • 谷は、等高線がアルファベットの「V」字型に鋭くなる。
  • 等高線が密の時、尾根はガケ、谷は滝の続く峡谷(ゴルジュ)を想像する。

10.隠れピークとコルを見つける

隠れピークとコル

長峰山の天狗塚ピークから杣谷峠までは、地形図上2つのピークしかありません。ところが、今まで覚えた1~9までの地形の特徴(下記参照)に当てはめるとコルは7つ、ピークは6つ見つけられます。実際に歩いて確認してみると、まさに地形図通りの隠れピークとコルが現れ地図の正確さに驚かされます。

こうした地形図を読み込む「読図」は、ほんのわずかな等高線の変化から実際の地形を想像する作業です。微妙な等高線の場合、正解かどうかは行ってみなけらば分かりませんが、やはり想像して先読みを行うことは大切なことだと思います

地形の特徴

  • 尾根はピークから始まる
  • 谷(沢)は、ピークまたはコルにツメ上がる
  • ピークとコルは交互に連続する
  • ピークは進行方向の変わる転換点