コンパスを使う

苦手意識の強い「コンパスの使い方」、じつは覚えるのはとても簡単です

読図を楽しむ

登山では必要と言われ、一応コンパスは持っているけど使った事ないと言う方が結構いるのではないでしょうか。もしかしたら、地形図の読図が出来ないと使えないと思ってませんか?コンパスの使い方を覚えるには、地形図の読図は後回しにしましょう。

本来のコンパスを使う目的は、現在地から自分の進むべき方向を地図から導き出すということです。

なのでコンパスを使いこなす練習は、山ではなく家の近所で道路の分岐やカーブ、交差点などでも十分できるのです。これなら、等高線など関係ないタウンマップでも十分練習になります。実際ロッコペリも、はじめのころの練習は家の近所の道路で行いました。

しっかりコンパスが使えるようになれば、改めて読図を通してルートファインディングを行えばいいだけ。登山する方は、どうしてもコンパス=読図と思われているようですが、実は別々に習得した方がはるかに上達は早いのです。

手っ取り早くコンパスの使い方だけを覚えるなら、このページの最後「5.コンパスは3ステップで使える」が簡単です。

※タウンマップで練習するときは、磁北線がありませんので地図の縦辺に「回転リング」内の赤い「回転矢印」を合わせましょう。

1.真北(しんぽく)と磁北(じほく)のちがい

コンパスを使う前に、北を表す方法には「真北」と「磁北」の2つがあることを理解しましょう。

  • 真北は、北極点の方向を示します。地図はもともと真北が上になるように作られています。
  • 磁北は、方位磁針のN極が指し示す方向です。磁北は北極点にはなく、現在はカナダの北側の地域になります。

2.磁気偏角と磁北線について

真北と磁北のズレを「磁気偏角」といい、本州では約7度西偏(-7°)になっています。コンパスを使ってルートファインディングを行う時には、真北で作られた地図にこの磁気偏角を書き込んで使用します。この作業を「磁北線を地図に書き込む」といいます。しかし、地形図出力ソフトなどでは、予め磁北線を印刷してくれるものがほとんどなので、手入力の機会は少ないです。

3.コンパスの各名称を覚えよう

4.磁北線を地図に書き込んでみよう

パソコンがあれば、磁北線も入った完璧な縮尺で地形図を出力してくれるソフトが使えます。しかし、場合よっては自分で磁北線を書き込まなくてはいけない場面もあると思います。磁北線の書き込みは、覚えておいて損はしない技術ですので挑戦してみましょう。ここでは、コンパスを使った書き込み方法を覚えます。

  1. 本州の磁北は約7度西偏(-7°)しています。コンパスの、回転リングにある度数メモリは2度(2°)刻みなので、真北(N)からリングを西()方向へ3.5目盛り回します。
  2. 回転リング内の平行線を地図の右端に合わせます。このとき、ベースの長辺はすでに磁北線に合わせて7度傾いているのが分かると思います。
  3. 始めの磁北線を記入したら、後は平行にコンパスをずらしながらルート上に必要なだけ磁北線を入れていきます。

※手動で磁北線を入れるときは、磁針は無視します。また、地図全体に磁北線を引いてもいいのですが、予めルートが分かっているのなら、そのルート上にのみ磁北線を入れるのもいいでしょう。

5.コンパスは3ステップで使える

コンパスを使うことは、地図上の現在地からの目的地点と、実際の進むべき方向を決定するということ。ただそれだけ。理屈を覚えるより、簡単なのでまずは使ってみましょう。ただし、現在地が分からないと使えないので注意してください。

  • ステップ1:地図上の「現在地」と進みたい「目的地点」にベースの長辺を合わせます。ステップ1では、「磁針」は無視するのでどっちを指していても構いません。
  • ステップ2:地図とコンパスが、ズレないようにしっかり保持します。「回転リング」を回し、赤い「回転矢印」が地図の上(北)方向になるよう注意しながら、同時に「磁北線」と並行になるように調整します。ここでも、「磁針」は無視です。
  • ステップ3:地図からコンパスを離します。コンパスは胸前で水平に保持。そのまま「磁針」の北を示す赤と「回転矢印」の赤が重なるまで、ゆっくりと体を回転させます。二つに赤矢印が重なった時、「進行線」の矢印が示す方向に進むべき目的地点があります。

後は、進行方向の目先にある立木などを目印にして進んでいきます。目印に着いたら、再びステップ3を行い次の目印を決めます。これを繰り返して、目的地点まで進みます。