神戸登山研修所

神戸登山研修所

神戸登山研修所にて基礎練習を行う

~難易度の高い人工壁でも安全・安心に登攀技術の基礎練習ができる~

2022年5月29日

王子公園改修にともない、その存続が危ぶまれる神戸登山研修所。幸い市民からの強い反対で残すことのなった。1992年10月には神戸でワールドカップも開かれ、ロッククライミングと合わせて当時の神戸は、登山では最先端の街だった。

今では、オリンピックで正式種目でボルダリング(スポーツクライミング)が採用され、各地域で大規模なクライミングジムが整備されるなど、その盛り上がりは留まることをしらない。

少子化で全国の大学が経営難になる中、市の整備素案では「若年層を増やすために非常に有力な施策」として、王子公園に大学を作ろうとしているのだから呆れてしまう。

ロッコペリは、スタジアム、動物園や遊園地、そして登山研修所など全国から神戸を目指すよう、既存の施設をアップグレードすればいいと考えている。

いきなり話がずれてしまったが、今回は通称「サル山」「ピラミッドウォール」と呼ばれる人工壁で、登攀技術の基礎練習を行った。全くの初心者も含め、朝から夕方までロープワークやクライミングなど楽しく練習した一日となった。


8時王子公園駅に集合し、初顔合わせもあるので各自自己紹介を済ませ、登山研修所に向かっていく。すでに気温は高く人工壁面は焼けそうだ。

受付とラジオ体操を済ませ、まずは基本のムーブ練習から。アルパインを想定しているので、足元はクライミングシューズではなく、普通の山靴で行う。トラバース練習は簡単そうに見えるが、手足の使い方やバランスが悪いと落ちてしまう。派手なテクニックより、こういった地味な練習が大切なのだ。

今日のサル山は満員御礼。お隣は、大阪の岳連がフル装備での登攀技術の講習を行っている。

命が掛かっているので次々と檄を飛ばすのはいいが、初心者の方は処理しきれず萎縮して固まっている。挙句、2mほど滑落していたが下のビレイヤーに救われた。

もちろん、我々も本気モードで練習を重ねていく。初心者にはトップロープにて練習してもらう。

ロッコペリは、登って見たかった左端とチョックストーンの溝をクリア。後はひたすらビレイヤーに徹する。

左端ルートは、ツタの生えている所がややハング気味で壁が立っており、細かなムーブが試される。チョックストーンの溝は、チムニー登りでクリアするしかない。チムニー登りは滝登りなどで使うことがあるので、練習するに越したことはない。実際にはザックを背負っているので、難易度はさらに上がる。

色んな場面を想定して、納得のいくまで何度でも繰り返し練習ができるが登山研修所の良いところ。

岳連の方たちは、落石でメンバーが気絶した場合の下降とか、落石がロープに直撃し切れかかった場合の下降とか、より実践的な内容の練習を行っていた。

今日は初心者向け練習だったので、次回は岳連と同じようは事故を想定とした練習メニューをやってみたいと思う。

より安全に登山を楽しむためには、こうした基礎練習は欠かせない。たとえそれがハイキングコースであっても、万一の時に、取れる行動には大きな差がでるのは言うまでもないだろう。

皆さんも、読図やロープワークなど、経験者について練習することを強くお勧めする。

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