木ノ袋谷 苔のルンゼ竣工

木ノ袋谷 苔のルンゼ再生作業竣工

~苦労の末に迎えたシーズン1の竣工、来年シーズン2に向けて更なる課題を確認~

2021年12月5日

なんとか年内に竣工をむかえることが出来た、苔のルンゼ景観再生作業。先週中の雨のおかげもあって、ルンゼに大量に堆積していた土砂もかなりの量が流されていたのは嬉しい誤算だった。

加えて、特に申し合わせて現地に向かったわけではないが、木ノ袋谷出会いでヘルメット着用していると5分ほど遅れてnagaminedaiskiさんが上がって来られた。同氏も年内になんとか形をつけたいとの思いで、倒木の整理もかねての山行とのことだった。

今回で、Season1終了といった所か。現地では更に、崩落予備軍の倒木が右岸上部にぶら下がっている。Season2では、その辺りの予防整備を行うことで計画を練るだろう。


今日は珍しく9時前の入山となった。まあ、それだけ作業を完遂する気合は十分ということだ。それと、スコップやなにやらでいつもより荷物が重いのもあって、現地入りまで時間がかかると読んだのもある。

進んですぐに、ルーチンワークと化した「カンガルーの木」を撮影する。ただの根っこだが、この角度の時だけカンガルーに見える不思議を楽しんでいる。

紅葉も一部でまだ見られるが、先週たっぷりと楽しんだので眺めるだけにしておく。

杣谷堰堤を越えたあたりの、コンクリで出来たこぶを越すときに何やらメモが置いてあった。筆跡は仙人さんのもの。どうやら、この辺で滑落して助かったらしい。一部読めない字があるのはご愛敬だ。

他にも、体重200kgのイノシシに襲われたり、台風時に生田川に流されたり、森林植物園で暴漢に襲われたりと、色々とエピソードをお持ちの方だ。

週中の雨の影響で杣谷の徒渉地点も、そこそこの水流があった。どんどん進んで、杣谷の滝までくるとモズクガニが居ないか確かめてみた。

なんでも阪神大石駅下で、大量のモズクガニを捕獲しているベトナム人の方がいるそうな。高級食材だからなぁ・・。

ほぼ一時間で木ノ袋谷入口に到着。ヘルメット着用の準備をしていたら、すぐにnagaminedaiskiさんが上がって来られた。特に申し合わせていなかったので、思うことは同じと理解し一緒に現地に向かうことにする。

第一、第二堰堤を越えミニゴルジュを抜ける。実物は写真で見るよりかなり鬱蒼としている。真新しい落石の跡もあるので、頭上に注意を払いながら足早に通過する。

第三堰堤は右岸を巻いていく。もちろん左岸でもいいが、堰堤内に降りるのに腐ったロープに頼ることになり危ないので、最近はもっぱら右岸を使っている。

今日は、前回下りで使ったルートを第四堰堤南ルンゼを登りに使うことにする。30mほど足場の乏しいルンゼを登り、尾根に転進する地点の確認のためだ。尾根に転進してからもズルズルの急登が続き、気を緩めることはできない。

このルート、尾根を乗越せば一気に木ノ袋大滝とその先のチョックストーン滝をパスして、苔のルンゼに直通しているのが魅力的だ。

これも、nagaminedaiskiさんが何度も踏査を重ねて見つけた最適ルートの一つ。ロッコペリはただ便乗して使わせてもらっているに過ぎない。

到着直後、ルンゼの様子をみて驚いた。前回、上部で撤去したかなりの土砂で埋まっていたルンゼが、週中のまとまった雨に流されスッキリしているのだ。

これは嬉しい誤算と、早速作業分担を決めスコップで土砂の掻きだしはロッコペリ、倒木の細断はnagaminedaiskiさんで行っていくことにした。

当初4時間くらいを見込んでいたが、なんと1時間ちょっとですべての土砂を撤去することができた。昼食を入れても2時間はかからなかった。年越しも覚悟していただけに互いに喜び合った。

余裕ができると、次なる課題が見えてくる。ルンゼ右岸の上部に崩落予備軍の倒木がいくつかぶら下がっている。これは尾根を登り、懸垂で高所作業を行うことになりそうだ。改めてSeason2の課題とすることにした。

10月の第一回目の作業からすると、感慨深いものがある。ただ、土砂を掘り下げ撤去した結果、ルンゼは復元できたが、nagaminedaiskiさんをして「苔のルンゼ登攀は史上最難レベルになってしまいました」と、言わしめる険悪なルンゼに変貌した。「苔が生えると、傷めないように登るのは更に困難になるでしょう」とも。

帰りも同じルートをピストンすることに。登りと違って、落ち葉の堆積した第四堰堤南ルンゼは、足元のスパイク足袋も相まって結構怖い思いをした。ハイパーⅤを装着したnagaminedaiskiさんは、身軽にヒョイと下って来られる。重量級vs軽量級の違いは明白だ。

予定よりかなり早い下山だったので、護国神社で身繕いをしながら、山のことや今後の整備のことなどあれこれと話し合った。

ロッコペリはしばらくは木ノ袋谷にはいかないだろうが、nagaminedaiskiさんは更に踏査をすすめたいそうだ。年齢を感じさせない、飽くなき探求心にはほとほと感心させられる。しっかりと見習っていこうと決意した次第だ。

合計距離: 6.42 km
最高点の標高: 544 m
最低点の標高: 73 m
累積標高(上り): 655 m
累積標高(下り): -670 m
総所要時間: 06:27:06
Download file: 20211205_苔のルンゼ整備.gpx

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