御津アルプス

御津アルプス

~瀬戸内の風景を堪能しながら水晶探しの山行から

2019年3月3日

姫路の実家に用事があり、土曜日から泊りで帰っていた。用事自体はすぐに終わるのだが、わざわざ出向かなけらばならないのは時間と費用がかかり効率的ではない。どうせなら、行ったついでに色々とやってしまおうと言う事で、土曜日は気になっていた町家カフェ「Tao」に立ち寄った。

日曜日は、御津アルプスのルートにある、野瀬集落の水晶山に行くことにした。名前の通り、かなりの確率で水晶を採掘できるとネットに情報が転がっていたので、ならば私もと言う事での便乗登山だ。

田舎の夜はすることも無く、明日のハードな山行に備え自分的にはかなり早く寝たのに、体内時計が田舎にセットされ寝過ごしてしまった。起きたらなんと8時半を回っていた。御津アルプス縦走路の起点は、御津町中島にある石見神社だがルート序盤に結構ハードなアップダウンが続くので、とうてい時間が足りないから親父に頼んで中間地点の岩見漁港まで車で送ってもらった。

岩見坂を北に向い、揖保川町馬場の室津街道を通り鳩ヶ峰(108m)から縦走路に取付くことにした。取付きから、分岐点の雄鷹台山までは緩急織り交ぜ、瀬戸内の風景を楽しみながらの登りとなる。雄鷹台山分岐から目的の水晶山までは、距離・高低差(累積標高500m)はそれほどないが、とにかく煩わしい笹薮(マダニを棒で払い落としながら進む)と大シダの群生、サルトリイバラの棘に手を焼くので時間がかかる。

水晶山は露岩地帯で、いかにも採れそうだったがカッパを着ての採掘は蒸し暑く、時間不足もあり30分たらずで探索を終了した。まあ、場所は分かったので再挑戦としよう。下山路は、平家の落人伝説のある野瀬集落へ。そこから、JR相生駅までは、かつて造船で栄えた相生湾を眺めながら徒歩で向かった。

※西播特有の植生として、2mを越える大シダと腰丈ほどの笹薮がある。大シダにも手を焼くが、笹薮に潜むマダニの方が厄介な存在だ。マダニの活動時期は5月~10月とされているが、温暖な西播はすでに活動時期に入っている。笹薮を抜けると必ず数十匹のマダニが付いているので、こまめに取り除く必要がある。今回は、まだ早いだろうとダニ除けスプレーはおいて来てしまったことを後悔した。梅雨時期になると大シダの胞子嚢が破裂しやすくなるので、全身レンガ色の胞子まみれになるのを覚悟しなければならない。

●御津アルプス縦走の時の様子はこちらから。


網干商店街(今は名前だけ)の街カフェ「Tao」さんにお邪魔。ジジババの集会所と店主は言うが、レトロな内装と旨い珈琲を350円で飲めるのは有りがたい。※2020年11月にて一旦閉店

昔はこの商店街も栄え、人通りも多かったが今では名前が残るのみ。でも、こうやって新しい取り組みで活性化しようと頑張っている方達には頭が下がる思いがする。

大正時代に出来た、旧網干銀行本店の建物も「タケダ」さんが使っていたがもうずいぶん前に営業を止めていた。ところが今年の6月にレストランとしてリニューアルオープンするらしい。この日も、内装の工事を行っていた。こんな過疎の町で勝機はあるのか、長く続けられるよう応援したい。網干にはまだまだ色んな文化財が残っている。(写真は以前撮影した物)

さて、スタートは揖保川町馬場のタキロンが見えるグランドから。すでに、少年野球の数チームが練習をしている。

大谷川沿いに進み室津街道を目指す。少年野球の子らが、見知らぬ私に全員で脱帽し「こんにちは!!」とおじぎをしてくれた。スポーツマンシップと礼節、純真なすがすがしさに気分も上々で出遅れた分、元気な挨拶を頂きいいスタートが切れた。

大谷川にはこの「近藤池」からの水路が流れ込んでいる。ここは水鳥たちにとって楽園となっており、春先は桜を愛でながらの周遊が楽しめる。

川沿いを歩いていると、茂みにいたつがいの水鳥を驚かせてしまったようだ。ちょうどカメラを構えていたので、偶然いい画が撮れた。

意外に地元の人は興味がないかもしれないが、山歩きをするようになってこういったものにはキチンと目を通すようになった。

網干にも万時元年から明治維新まで、丸亀藩の京極氏の所領であった事を示す「境橋:さかいばし」が残っている。

かなり手前の木陰から望遠で撮っているのだが、警戒心は強くレンズを向けるだけで飛び立っていく。

池の南側には、御津アルプスの序盤でアップダウンの激しいX山、Y山、Z山と嫦娥山が連なる。今日は縦走なのに、序盤を全部パスすることに、ちょっと後ろめたさを感じる。

このあたりの動物は、野生の勘が鋭いのかこちらもかなり後方から構えたのに、くるっと振り向いて警戒された。のらくろ見たいな顔だね。

室津街道といっても、今では舗装道路となっている。はるかな消失点のあたりが、鳩ヶ峰になる。しばらく道なりに進んでいく。右のフェンスはダイセル播磨工場の敷地。

この山域は、ダイセル播磨工場の私有地がほとんどを占めている。御津アルプスの縦走路は、この私有地を巻くように走っている。有刺鉄線や監視カメラが至る所にあるのは、ここがダイナマイトを作っているから。万が一の時のために、こんな里山の奥に工場を造ったのだろう。

室津街道の最高地点「鳩が峰」に到着。標高108m。峰とあるのに切り通しとは、変な感じがする。

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