木ノ袋谷・苔のルンゼ第二期整備2回目
~枯死した大木の切断作業の難易度が上がるも、チームワークで無事乗り切る~
2022年2月6日
年頭より、1月16日(ロッコペリ)、1月23日(長峰大好きさん)の整備によって大きく進展した苔のルンゼ第二期整備。特に23日の整備は、極寒の中、残雪と氷雨の混じる悪天候での作業で大変な苦労をされたようだ。
本日で都合3回目の整備作業になる。長峰大好きさんとは、事前に連絡をとり護国神社集合で出発した。懸垂状態のでの作業がメインになるので、お互いに荷物は多め。歩荷トレ状態で、現地入りすることに。
作業は順調よく進むに思えたが、切断した木が思うように落下せず手こずった。特に生木に絡んだ大木は、長峰大好きさんが空中懸垂に近い状態で処理する羽目になった。
とはいえ、目の上のたんこぶ状態で斜面にぶら下がっていた大木の撤去は無事に終了。次回の作業のめども立ち、予定時間より早く作業が進んだので満足のいく一日となった。
快晴の六甲駅を、護国神社に向けて出発する。すでに、何組かのパーティーが待ち合わせされていた。
8時30分、長峰大好きさんと護国神社にて待ち合わせし、簡単な打ち合わせと折り畳みスコップや手鋸などの荷物を分担して頂いた。お気遣いに感謝する。
あれこれ雑談しながら、まずまずの時間で木ノ袋谷の入り口に到着。小休止しヘルメットを準備する。荷の重さに関係なく、道産子のようにどたどた歩くロッコペリと違って、サラブレッドのように身軽に歩かれる長峰大好きさんについていくのは大変だ。
取付きから30分、Ⅾ4右岸南ルンゼは下部が凍っていて足場がない。長峰大好きさんはサイドに逃げ、落ち葉の堆積したルンゼを軽快に登っていく。
苔のルンゼ到着すぐに、長峰大好きさんが前回仕掛りのまま残置されていた倒木を二人で河原まで撤去。装備を整え、本日の作戦会議を行うべくルンゼ左岸を登る。
現状は、元々三又だった倒木なので残り1.5本といったところ。案として、①を分岐で切断ののち②の根元付近で切断する方法に決まった。
尾根からルンゼまでは約15mの高さ。ご覧の通りの傾斜で、ルンゼに落ち込むところではほぼ垂直の斜面になる。
前回同様のルートで尾根尻に上がり、倒木まで下っていく。ワイヤーの食い込んだ痛々しい松の木を見るにつけ、ディスクグラインダーを持ち込んで撤去したいが今更どうにもならない。
まずは①の切断から。各自で支点構築の後、作業場所まで懸垂下降。ほぼぶら下がった状態での作業なのでロープ固定を確実に行う。長峰大好きさんは絡みつく蔓や枝を撤去にかかる。
切断後、そのまま落下すると思われたが、斜面のどこかに引っかかっているようなので協力して蹴落とす。
上手く蹴落とせたと思ったが、②の枝先に引っ掛かり、隣の大岩にも立て掛ける感じで止まってしまった。なかなか思い通りにいかないものだ。
支点を再構築し、大岩沿いに降りていく。大岩の先端はナイフリッジ状態なので、蹴ろうにも不安定で足に力が入らない。幸いにも、目の前におあつらえ向きの朽ち木があり、ホールドすることで何とか蹴落とせた。
大岩から落とせたものの、やはり②の枝には引っ掛かったままだ。
続いて②の切断を行う。大音響と尾根が崩れるくらいの地響きで落下するも、これもまた何かに枝が引っ掛かりスッキリとは落ちてくれない。
とりあえず、この場所での作業は目的を果たせたので一旦撤収することにする。
ルンゼから見ると、やはり何かに引っ掛かり切断した根の方が先に着地している。幹が太いだけあって、前回のようにバラバラにはなってくれなかった。
よく観察すると、両岸の生木がつり橋のようにしなって②を支え、その枝の上に①がのっかるというややこしい状態になっていた。
長峰大好きさんの判断で、着地している部分から少し上の場所(目じるしに鋸目)で切断すれば上手く荷重が抜けると思われた。
手鋸では手に負えないので、ロッコペリがチェーンソーで切断していく。ただ、複雑に絡み合っているので、切断直後の跳ね上げなど木の動きを予測しながら安全最優先で作業を行う。写真からも、こわごわ切っているのが伝わってくる。
結果、切断しても吊られた状態に変化はなく、ここには荷重があまりかかっていなかった。
再検討の結果、全てを吊り下げている生木(直径10cmほど)を切断することにした。ここは長峰大好きさんが垂直懸垂に近い状態で、何度も仕切り直しをし作業を行って頂いた。
ロッコペリは、先ほど切断した末端部分に四倍力のシステム構築し、尾根から浮かして反時計回りに回転落下させる準備を行う。
将来落下の懸念として、ルンゼ上空に突き出し枯死していた大木の撤去が無事に済んだ。チェーンソーのバッテリーは、寒さで性能が低下したままだが残量ゼロになるまで細断を続けた。
次回は、これらの倒木群の撤去と細断の作業なので気持ち的にも随分楽に感じる。ようやく苔のルンゼ再生作業の終わりが見えてきた。
遅めの昼食を摂り撤収作業をしても、下山開始予定の14時まで余裕があるという大満足の好結果だった。
最高点の標高: 542 m
最低点の標高: 82 m
累積標高(上り): 623 m
累積標高(下り): -634 m
総所要時間: 07:08:51
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