堰堤を抜けるとすぐに、5mほどの滝があるがここは流芯を登っていく。
次いで、チョックストーン三兄弟(私称)がお目見え。節理の部分からもジャミングで登れるが、右手の崩れそうな岩に負担をかけないようにそっと登っていく。
少しホッとしながら遡行を続けると、タイヤやパイプなどのゴミが流れついている所を通過する。
いよいよ、老婆谷中俣の核心部ともいえるところにやって来た。三方壁に囲まれ、奥に見える巨大チョックストーン、いわゆる鬼婆に頭というやつをクリアしなければ撤退となる。
気持ちを落ち着かせ、右手にエスケープルートらしきものがあるのを確認しアタック開始する。
攻略の一歩は、圧倒されそうなチョックストーンの真下からの観察。節理部分にルートを見つけ、ハンド・フットともにジャミングをかけ全身を駆使して体を引き上げる。
なんとか登り切り、鬼婆の頭から真下をのぞき込む。高さは4mほどだが、かなり手ごわかった。沢登りの初心者が、それも単独で来るとこではなかったと今更ながらビビる。
続いての壁は、まず中央のチョックストーンのある所を攻めようとしたが、鬼婆の頭で腕力は無くなっていた。ならばと、右の斜面に取付いてみたがズルズルで2mほどずり落ちてしまった。結局、写真左上の明るくなった所を登った。
ここはチムニー登りで越えていくが、激闘の後だけに簡単に思えてしまう自分が怖い。
流れが無くなって来たころに、人工の谷止めが見えてくる。これは、左手に工事の残置ワイヤーロープがあるので、ゴボウで登っていく。
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