未踏の縦走路付近を歩いてみる
~縦走路で今まで目もくれなかった場所をあえて寄り道してみた~
2022年1月9日
過去何度か全山縦走を行っているが、その時は前へ前へと進むことばかりを意識していて、ゆっくりと周辺の脇道を楽しんでこなかった。今回は少し視点を変えて、縦走しつつ今まで見過ごしてきた道や、以前より興味のあったルートへ寄り道をしてみることにした。
今回は、須磨浦公園駅から高取山までの内容。
何事もそうだが、少し視点を変えるだけで今まで見えていたものがガラリと変化してしまう。そんな変化を存分に楽しめた山行で、さらに縦走路の魅力を広げることが出来た。
皆さんからすると遅いスタートだが、9時に須磨浦公園駅に到着、すでに多くのハイカーが集まっていた。すぐそばの植え込みで、黒猫がひなたぼっこでまどろんでいる。
今日は、「寄り道ばかりの縦走路を行く」とお題を決めているので、今まではいきなりの階段で敬遠していた近道ルート(初)へ取付く。先を行くカップルとは高取山まで、こちらは寄り道しているにもかかわらず、抜きつ抜かれつをすることになる。
小休止を取りながらダラダラ登って30分、天気も良く汗だくでロープウェイ乗り場に着いた。昔コイン式の双眼鏡があったが、今は撤去されている。そもそも、この障害物だらけの場所にあるのが不思議と思っていた。
同じ場所にあって『乗り心地の悪さ』が評判のうえ、世界に一ヶ所しかないカーレーター乗り場。確か、ブラタモリでも話題になっていた。その駅舎の上にあるのが「東部・西部展望台」だ。
こちらに登るのも初めてだったが、邪魔なものがなく、播磨灘がパノラマで見渡せる展望を今まで知らなかったことが大いに悔やまれる。縦走路を歩かれる方にはお勧めのポイントだ。
次も初めて訪れるの鉢伏山だ。回転展望台のテラスに上がってみたが、こちらの方が先の展望台より景色が悪いのは残念。裏まで回り込むと、さらに残念な物を見ることになる。
そのまま進むとコンクリ製の「須磨アルプス縦走路」と書かれた標柱があった。確か塩屋駅スタートが昔の全山縦走路、ここはルート外なのでこう呼ばれていたのも妙に納得できる。
鉢伏山から旗振山はすぐ。写真だけ撮っておらが茶屋のトイレを目指す。風は吹き抜けて寒いが、体が熱いので何年振りかにおらが茶屋の自販機でオロナミンCを飲んだ。
条件反射で大村崑が出てくるのはご愛敬。子供だったロッコペリにとって、オロナミンセーキやアルコールで割って飲むのがとてもハイカラ(死語)に感じたものだ。
おらが茶屋から下る髙倉山階段の途中から、縦走路の400段階段をのぼるハイカーの姿が見えた。
高倉団地のスーパーKOHYO前の植え込みにも猫がまどろんでいた。声を掛けると、グルニャンと甘えた声でのどを鳴らしながら「撫でて~」と、言わんばかりにすり寄って来た。やっぱり動物は可愛い。
400段階段を見つつ、住宅地をぬけ歩道橋の先を右に進んで行く。実に6年ぶりの文太郎道へ向かう。以前は取付きも不明瞭でバリエーションルートの様相だったが、ガイドブックで紹介されてから訪れる人が激増したと聞く。
以前の取付きは、やぶのを進み小堰堤の天端からざれた急斜面をよじ登ったが、今では新しい踏み跡が出来すぐに尾根に乗ることが出来る。
尾根幅も幾分広くなったような気がする。というか、多くの踏圧が尾根を痛めていると言ったほうがいいのかもしれない。
文太郎道を示す案内板も新旧のものが混じっていた。古い案内板にはこう書かれていた・・
「この道には、昔の六甲縦走路がそのまま残っています。文太郎道と呼ぶ所以です。大切に残したい道です」
その先の苔むした露岩も、表土が削られた上にステップが追加され荒廃が進んでザレザレになっていた。
縦走路に復帰し、須磨アルプスの馬の背をめざす。途中のマイケルは、雨で崩れてもすぐに整形されている。横尾山で写真を撮っていると、スタート時前を歩いていたカップルが登ってきた。
馬の背に着くと沢山の人が行きかっている。当然その風景を写真に収めたいから、渋滞が発生するのは仕方がない。ロッコペリは渋滞をさけ、コル脇に退避して人の流れが少なくなるのを待つ。
理由は、未踏のガリールートを登りたかったから。楽勝と思い、ザックを背負ったまま試登するも、3mほど登ったところでムーブの邪魔になり上がれない。クライムダウンし、改めて空身で挑戦することにした。
あと1m上がることが出来ればクリアだが、風化した壁面のホールドはボロボロと崩れ、すり減った靴底では全く足が無くなってしまった。こんなところでケガをしては元も子もないので、さっさと撤退することにした。
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