観音寺谷左俣再訪

観音寺谷左俣(小屋ノ谷)

~前回の課題をクリアするために再訪~

2020年12月27日

前回知人と遡行した観音寺谷左俣。装備も準備しないまま気楽に踏み込んだ結果、いろいろとやり残した不完全燃焼の感が否めない。今回は単独ということもあり、山積する課題の解消も含め探索対象を広げての山行となった。

今回の課題は次の通り。

  1. チョックストーンの攻略
  2. 三方囲まれた枯滝の攻略
  3. 青谷東第三尾根の取付きの確認
  4. 枝沢の源頭部付近にある貯水エリアの確認

特に、通称:青谷東第三尾根と呼ばれる尾根の不都合の解消に注目してみた。なぜなら第三尾根の尾根端は、地形図を見ても別の場所にある。どちらかというと現在の取りつきは、新たに第四尾根と呼ぶべきとロッコペリは考える。

つまり、現在の「第三尾根」とされるルートは、第四尾根の取付きから登っていき途中トラバース(水平路)を経て第三尾根に乗り換え、第一尾根へ合すると考える方がスッキリするのだ。

この誤解は、六甲山のバイブル的存在であった「六甲アラカルート」さんの記述に基づくところから生まれているものと考える。と言って、これを否定する気は全くなく、先人が苦労してつけた呼称は尊重したいと思っている。ただ、自分の中で混乱しないようあえて「第四尾根」を新設した次第。

今回は、そんな歴史的背景を鑑みながらじっくりと山行を楽しんでみた。


初めに、今回の記事を書くにあたり観音寺谷左俣周辺の概念図を確認しておきたい。

まずは、今回新たに新設する「第四尾根」と、第三尾根に挟まれた谷に表示されている水源の確認から行う。

いつものように、神戸高校前まで阪急六甲からバスで楽をする。最近たるんでいる。取りつきまでの坂を上っていくと、グランドから結構な声援が聞こえてくる。どうやらラグビーの試合をしているようだ。どうりで、バスから降りる人が多かったわけだ。

いつものように、観音寺谷堰堤を越え徒渉地点の先を左折し楽生公園に向かう。

五鬼城址の柱の下に朽ちた高札があったのでひっくり返すと、なにやらいわれが書いてあった。そして輪投げの輪っかもちゃんとあった。では、輪投げ場は?と周囲を見ても見つからなかった。

観音寺谷左俣(小屋ノ谷)へ進むが、右岸の気になるはしごがあるので登ってみた。はしごの先はトラロープがあったが、崩落激しく期待していた破線路は見つからなかった。

このはしご、登るより降りるほうが横に倒れそうだったのでトラロープを結んで補助にした。

はしごを降りて左岸をよじ登り、観音寺谷第二堰堤を越えていく。

堰堤上流の堆積地を抜け、最初の小滝をクリアしていく。今回は、100均の三脚で自撮りに挑戦してみた。やや面倒くさいが、滝のスケール感を出すには人物が入る方が分かりやすい。

進んですぐの二俣。中央が本来の第三尾根の尾根端だ(破線路は30mほど上流)。今日は右俣の水源っぽいところを確認したいので進んでいく。

渓相といいっていいいのか、落ち葉と枯れ木の詰まった谷でなんの面白味もない。ズルズルと滑りやすく、無駄に体力を持っていかれる始末。だからビール瓶など写して気を紛らわせている。でも、こんなところに転がっているのも不思議だ。

さて、この辺りが地形図の水源とおぼしき辺りなのだが、谷幅が少し広くなった程度で何もない。がっかりしながら、この先にあるトラバースルートへ向かう。

埋もれた落ち葉のなかに「あぶないのぼるな」の看板が落ちていた。視線を上げると、明らかに左岸(第四尾根)と右岸(第三尾根)へトラバースルートが確認できた。第三尾根方向に進んでみる。

進んで尾根に乗ると、左手に№1141基準点、右手にロープ場があった。基準点の先にある第三尾根の破線路を見るも、補助ロープなしでは安全に下れるものではない。とはいえ、一度は下ってみる必要はありそうだ。

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